・ 分数の妙                     S.H氏

 分数 の分子と分母に同じ数を加えて、 分数 を作りたい場合、皆さんならどう考え
るだろうか?おそらく、次のような計算式を立てる方が多いのではないかと思う。

               

 確かに、立式は単純であるが、 を求めるには、暗算は少し厳しい。
幾ばくかの筆算により、 =21 であることが分かる。

 このような問題に対して、次のような面白い考え方がある。

 分数の分母と分子に同じ数を加えるのだから、分母と分子の差はいつも一定である。
89−39=50 であり、11−6=5 なので、ちょうど、差は10倍になっている。

 よって、 の分母と分子を、それぞれ10倍すれば、差は、ちょうど 50 になる。

したがって、60−39=21 から、求める数を得ることができる。

 上記の場合は、ある意味で特殊な場合だったので、暗算で求められたが、次の場合は、
どうであろうか?

 分数 の分子と分母に同じ数を加えて、 分数 を作りたい。

 今度は、差は、89−39=50 に対して、11−7=4 で割り切れない。

この場合は、 の分母と分子を、それぞれ強引に 倍して、差を50にすればよい。

したがって、求める数は、

       7×(25/2)−39=97/2

となる。

(参考文献:ナギビン 著 山崎 昇・宮本敏雄 訳 数学玉手箱 (東京図書))

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