・ 納得の 0!=1 S.H氏
「0!=1」という公式は、とても間違いやすい公式である。初心者にとっては、階乗(!)は、
掛け算のイメージがあり、そこに、0 とくれば、思わず「0」と答えたくなる。数学の公式は、他
の公式と矛盾がないように作られていて、「0!」は「1」以外にはありえないのであるが...。
通常、その証明には、順列の公式が使われる。
異なる n 個のものから、異なる r 個のものをとる順列の数は、
で与えられる。そこで、異なる n 個のものを全て並べる順列の数は、n!なので、
が成り立つ。この式により、「0!=1」でなければならないことが分かる。
確かに、上記の説明で、人を説得するのには十分であろう。しかし、「分かった!」と人を
納得させる力は弱いと、常々感じていた。
同様の公式に、「 a0=1 」がある。
これも通常は、指数法則が成り立つと仮定して、a・a0=a (a≠0) から示されるが、次の
ように説明された方が、「分かった!」と納得されやすい。
この方式だと、a-1=1/a という公式も、自然に受け入れられる。
実は、0!についても、同様の考え方があることを最近知った。
n!=n×(n−1)! という公式を基本とした考え方である。
私的には、とても納得を誘う説明と思うのだが、皆さんは、どう思われるだろうか?
(参考文献:J.A.H.ハンター、J.S.マダチー 著 田中 勇 訳
数学レクリエーション (白揚社))
(追記) 当HP読者のY.I.さんより、平成26年2月15日付けでメールを頂いた。
上記の話題について、私の意見を言いたいと思います。
一般に、任意のnで、 n! / (n-1)! = n となるので、n=1 を代入して、
1 / 0! = 1 すなわち、 0! = 1 という結果が導かれます。
また、同じ意味の式 (n-1)! / n! = 1 / n を使うと、n=0 を代入して
(-1)!/ 1 = 1 / 0 なので、負の数に階乗が定義できない理由がよくわかります。
(コメント) Y.I.さんに感謝します。