・物々交換                            GAI 氏

 同じ箱に、Aは金貨、Bは銀貨、Cは銅貨をそれぞれ1個入れている。ある人がコインを投
げ、表が出たらAとBが、裏が出たらBとCが箱を交換するものとする。

 コインを5回、及び10回投げ終わったとき、A、B、Cが金貨を手に入れられる確率(a5,b5,
c5及びa10,b10,c10)はそれぞれ何?


 らすかるさんからのコメントです。(平成28年5月13日付け)

 条件から、漸化式を立てると、

a[0]=1、b[0]=0、c[0]=0、

a[n+1]=(1/2)(a[n]+b[n])、b[n+1]=(1/2)(a[n]+c[n])、c[n+1]=(1/2)(b[n]+c[n])

この漸化式を解いて、

a[n]={2+3(1/2)n+(-1/2)n}/6 、b[n]={1-(-1/2)n}/3 、c[n]={2-3(1/2)n+(-1/2)n}/6

従って求める値は、 a[5]=11/32、b[5]=11/32、c[5]=5/16

            a[10]=171/512、b[10]=341/1024、c[10]=341/1024


 DD++さんからのコメントです。(平成28年5月14日付け)

 あえて漸化式を解かない方法を。

 n回後に A、B、C それぞれが金貨の箱を持っているようなコインの出方を A[n],B[n],C[n]
とします。

 まず、A[n]≧B[n]≧C[n] であることを示します。

n=0 のとき、A[0]=1, B[0]=C[0]=0 より真。

n=k のとき真とすると、 A[k+1]-B[k+1] = B[k]-C[k] ≧0、B[k+1]-C[k+1] = A[k]-B[k] ≧0

 より n=k+1 のときも真。よって、任意のnについて、 A[n]≧B[n]≧C[n]

 次に、A[n]=C[n]+1 であることを示します。

 全ての事象は金貨の箱に注目して以下の4つに分類されます。

1) 最初から最後までAが持っている
2) 一度Bに渡るが最後はAが持っている
3) 最後はBが持っている
4) 最後はCが持っている

 2) と4) になる事象数は明らかに等しいので、1) の分の差で A[n]=C[n]+1

 さて、A[n]≧B[n]≧C[n] かつ A[n]=C[n]+1 かつ A[n]+B[n]+C[n]=N となるような整数の組
は1つしかありません。

 すなわち、各々 N/3 、但し、前から N(mod 3) 個は切り上げ、残りは切り捨て。

 ということで、

 n=5 のとき全部で 25=32=3×10+2 通りの結果があり、A[5]=11、B[5]=11、C[5]=10

  これらを32で割って、a[5]=11/32、b[5]=11/32、c[5]=5/16

 n=10 のとき全部で 210=1024=3×341+1 通りの結果があり、A[5]=342、B[5]=341、C[5]=341
  これらを1024で割って、a[5]=171/512、b[5]=341/1024、c[5]=341/1024



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