半径1の円に内接し、A=60°である△ABCについて、三辺の長さの和AB+BC+CAの最大
値を求めよ。
# 多様な発想で どうぞ!
DD++さんからのコメントです。(平成28年5月7日付け)
では、先頭打者を...。
∠B=60°+θ、∠C=60°-θ (-60°<θ<60°)とすると、正弦定理より、
AB+BC+CA= 2sin(60°-θ) + 2sin60° + 2sin(60°+θ)= 4sin60°cosθ + 2sin60°
= 2cosθ +
よって、 θ=0° のとき、すなわち、正三角形であるとき最大で、最大値は、 3 となる。
らすかるさんからのコメントです。(平成28年5月7日付け)
∠A=60°から、BCは、一定(=)なので、B、Cを固定してよい。B、Cを焦点として円との
共有点を持つ最大の楕円を考えれば、△ABCが正三角形のときに最大(3)とわかる。
# 具体的には、例えば、B(-/2,0)、C(/2,0) を焦点とする楕円が円 x2+(y-1/2)2=1
と接点(0,3/2)で接するとき、長軸の長さは、2となるので、楕円の方程式は、
x2/a2+y2/b2=1 (a>b>0) において、a2−b2=3/4 、2a=2 より、a2=3、b2=9/4
すなわち、 x2/3+y2/(9/4)=1 となる。
(コメント) 私も参戦してみました。不十分かもしれませんが直感的な解法で...。
△ABCの底辺BCは一定(=)なので、面積が最大になるのは、b=c= のとき。
このとき、明らかに△ABCの周の長さも最大で、最大値 b+c+=3
(参考) ヘロンの公式より、△ABCの面積は、(1/4)√[{(b+c)2−3}{3−(b−c)2}]
で面積の最大値は、 3/4 で、b=c= のときである。
「明らかに△ABCの周の長さも最大」というのはちょっと言い過ぎで、厳密には、らすかる
さんの、楕円の性質から示すのが王道でしょう。
壊れた扉さんからのコメントです。(平成28年5月8日付け)
らすかるさんの解答はエレガントですね!
中心をOとし、BO、COを結ぶと、∠BOC=120°で、OB=1より、BC=
ここで、点Aを動かしていくと単調増加で正三角形の時が最大になるのは自明のようだが、
証明が出来なかったので愚直に解く。
B(−/2,0)、C(/2,0)とすると、円の中心は(0,1/2)より、円の方程式は、
x2+(y−(1/2))2=1
最大になるのは上半円である事は自明と考え、y=√(1−x2)+(1/2)
よって、A(p,√(1−p2)+1/2) と置ける。
∴ AB+AC=√[{p+(/2)}2+{√(1−p2)+(1/2)}2]
+√[{p−(/2)}2+{√(1−p2)+(1/2)}2]
これをpで微分すると、長い計算の上、p=0,±√3/2となり、極値を与えるx座標は、p=0
より、A(0,3/2)
よって、 AB+AC=+=2 より、 AB+BC+CA=3
(別解) 中心をOとし、BO,COを結ぶと、∠BOC=120°でOB=1より、BC=
ここで、点Aを動かしていくと単調増加で正三角形の時が最大になるのは自明のようだ
が、証明が出来なかったので愚直に解く。
B(−/2,0)、C(/2,0)、A(cosθ,sinθ+(1/2))と極座標表示をすると、
AB+AC=√{(cosθ+/2)2+(sinθ+1/2)2}+√{(cosθ−/2)2+(sinθ+1/2)2}
=√{2+cosθ+sinθ}+√{2−cosθ+sinθ}
これをθで微分してイコール0として長々と計算すると、cosθ=0、sinθ=−1/2となる。
(一応、上の式は単振動の合成をすればもっと簡単になりますが意味がないのでしない方
がいいです。)
極値を与えるθは、θ=π/2より、A(0,3/2)
よって、 AB+AC=+=2 すなわち、 AB+BC+CA=3
りらひいさんからのコメントです。(平成28年5月8日付け)
では、鉄板のラグランジュの未定乗数法で...。
正弦定理より、BC=2*1*sin60°=
また、CA=x、 AB=y とおくと、余弦定理より、x2+y2-xy-3=0
今、0<x、y≦2であるのは明らか。この条件のもとで、x+y+が最大となる x、y を求める。
x+y+-λ(x2+y2-xy-3) を偏微分して、
1-λ(2x-y)=0 、1-λ(2y-x)=0 、-(x^2+y^2-xy-3)=0
連立して解くと、(x,y,λ)=(±,±,±1/) (複号同順)
x、y>0 より、 x= 、y=
このとき、x+y+は極大となるため、最大値は 3
DD++さんからのコメントです。(平成28年5月8日付け)
2打席目の初等的打法。
弧BC(Aを含まない側)の中点をDとすると、円に内接する四角形の定理より、∠BDC=120°
また、BD=CD
よって、これら3点は円に内接する正六角形の隣り合う3頂点に相当するので、BD=CD=R=1
したがって、
AB+BC+CA= BC+AB・CD+CA・BD= BC+BC・AD (トレミーの定理)= BC(AD+1)
BC=で一定なので、ADが直径2となるとき周長は最大となり、その値は、3
(コメント) なるほど!トレミーの定理ですか。
よおすけさんからのコメントです。(平成28年5月8日付け)
この問題は、滋賀大学の出題です。現行の数学Uの黄・青・赤チャートの例題にも載って
います。
DD++さんの初打席の解答と同じですが、せっかくなので...。
A+B+C=πとA=π/3より、C=(2π/3)-B また、0<B<2π/3
△ABCの外接円の半径が1だから、正弦定理 (BC/sinA)=(CA/sinB)=(AB/sinC)=2×1 より、
BC=2sinA ・・・(1) 、CA=2sinB ・・・(2) 、AB=2sinC ・・・(3)
(1)+(2)+(3)より、
AB+BC+CA=2(sinA+sinB+sinC)
=2(sin(π/3)+sinB+sin((2π/3)-B))=+2×cos((π/3)-B) ・・・(4)
0<B<2π/3において、(π/3)-B=0 すなわち、B=π/3のとき(4)は最大となる。
よって、(4)の最大値は、 +2×1=3
S(H)さんの紹介で、壊れた扉さんから別解をいただきました。(平成28年5月10日付け)
「りらひい」さんのアイデアを使わせて下さい。
(別解) 正弦定理より、BC=2*1*sin60°=
CA=x、AB=y とおくと、余弦定理より、x2+y2-xy-3=0 ・・・(*)
ここで、x+y+=k と置いて、kの最大値を求める。
y=−x+k− ・・・ (**)
(**)を(*)に代入して整理すると、3x2−3(k−)x+k2−(2)k=0
判別式 D=9(k−)2−12{k2−2k}≧0
これを整理すると、k2−2k−9≦0 より、(k+)(k−3)≦0
よって、−≦k≦3 より、最大値は、3 (終)
さらに、微分で接線の方程式を求める方法で解こうと思います。
(別解) 正弦定理より、BC=2*1*sin60°=
CA=x、AB=y とおくと、余弦定理より、x2+y2-xy-3=0 ・・・(*)
ここで、x+y+=kと置いて、kの最大値を求める。y=−x+k− ・・・ (**)
接点をP(p,q)と置いて、(*) の両辺をxで微分すると、 2x+2yy’−y−xy’=0
よって、 y’=(y−2x)/(2y−x) より、 (q−2p)/(2q−p)=−1 として整理すると、
p=q となる。すなわち、P(p,p)
これを(*)に代入すると、 p2+p2−p2−3=0 より、p2=3 すなわち、p=±
このとき、P(,)、P’(−,−)
よって、kの最大値は、x+y+=k より、 3