次の図形の線分の長さを求めるのに、いろいろな方法があり大変面白いということを
香川大学教育学部の内藤先生からご教示いただいた。
AB=AC=、BC= である2等辺三角形ABCにおいて、辺ACの中点をMとおく。
このとき、線分BMの長さを求めよ。
上図の三角形が、次のような正方形の中に埋め込まれることに気がつく方はほとんど皆無
だろう。
このとき、線分BMの長さは、暗算で 3/2 となることが直ぐ分かる。何て、素晴らしいん
だろう!
この問題に対して、いろいろ別解を考えるのは楽しい!
(余弦定理の利用)・・・多分、多くの方が最初に思いつく解法
BM2=AB2+AM2−2AB・AM・cos∠BAM
=5+5/4−2・5/2・{(5+5−2)/10}=9/4 より、 BM=3/2
(中線定理の利用)・・・中線定理にすぐ気がつかれた方も多いかな?
AB2+BC2=2(BM2+AM2) に代入して、 5+2=2(BM2+5/4) より、
BM2=7/2−5/4=9/4 よって、 BM=3/2
(座標幾何の利用)・・・S(H)さんからいただきました。(平成28年4月20日付け)
辺BCの中点を座標軸の原点とし、BCをx軸とすると、点Cを中心とし、半径の円の方
程式は、
(x−1/)2+y2=5
で、x=0を代入して、点Aの座標(0,3/)が求められる。
よって、M(1/2,3/2)、B(−1/,0)なので、
BM2=(3/2)2+(3/2)2=9/4 より、 BM=3/2
S(H)さんは、さらに、一般的な公式も示された。(平成28年4月20日付け)
一般に、 AB = AC=c、BC=a とすると、BM=Sqrt[a^2/2 + c^2/4] と書ける。
(コメント) a、c が無理数だと美しくないので、この公式を用いて、すべて有理数となるもの
を探したい。ただ、答えは綺麗になるが、もはや人を感動させるような別解は存
在しなくなるような...雰囲気。一長一短かな?
平成28年4月22日付けで、S(H)さんから、a=8、c=14とすると、BM=9とな
ることをご教示いただきました。S(H)さんに感謝します。
さらに、平成28年4月24日付けで、S(H)さんは、ともに整数となる例を見いださ
れた。
a=168、c=46、BM=121 a=168、c=84、BM=126
a=168、c=124、BM=134
(中点連結定理の利用) 点A、Mから辺BCに下ろした垂線の足をそれぞれH、Kとおくと、
三平方の定理より、 AH2=5−1/2=9/2 すなわち、 AH=3/
よって、中点連結定理より、 MK=3/2
したがって、 BM2=(3/2)2+(−1/2)2=9/8+9/8=9/4 より、
BM=3/2
(重心の性質の利用) 点Aから辺BCに下ろした垂線の足をH、重心をGとおくと、
AH=3/ から、 GH=1/ なので、 BG2=1 より、 BG=1
よって、 BM=(3/2)BG=3/2
(面積の利用)・・・S(H)さんからいただきました。(平成28年4月21日付け)
面積等分より、
√[(a+2c) (-a+(a+2c)/2)(-c+(a+2c)/2)(-c+(a+2c)/2)]/
=2*√[(a+c/2+m)(-a+1/2(a+c/2+m))(-(c/2)+1/2(a+c/2+m))(-m+1/2(a+c/2+m))]/
で、mを求めると、m=1/2 Sqrt[2 a^2 + c^2] を得る。
(コメント) (面積の利用)の計算は大変そう...。
3辺がAB=c、BC=a、CA=c の△ABCの面積は、ヘロンの公式より、
△ABC=(a/4)√(4c2−a2)
辺ACの中点Mについて、BM=x とおくと、ヘロンの公式より、
△MBC=(1/4)√{c2a2−(a2+c2/4−x2)2}
よって、 2・(1/4)√{c2a2−(a2+c2/4−x2)2}=(a/4)√(4c2−a2) より、
4c2a2−4(a2+c2/4−x2)2=4c2a2−a4
すなわち、 (a2+c2/4−x2)2=a4/4 において、a2+c2/4−x2>0 なので、
a2+c2/4−x2=a2/2
すなわち、 x2=a2/2+c2/4 より、 BM=√(a2/2+c2/4) を得る。
以下、工事中!