任意の△ABCに於いて、辺BCを3等分する点Dと点Eを取ったとき、
AB2+AC2=AD2+AE2+4DE2
が成り立つという定理が高校1年生の数学の教材に載っていました。範囲は「点と直線との
距離」ということで計算で解かれていましたが、何か他に(美しいor面白い)証明方法はあり
ますでしょうか…?
GAI さんからのコメントです。(平成28年2月28日付け)
△ABEで中線定理から、 AB2+AE2=2(AD2+DE2)
△ADCで中線定理から、 AD2+AC2=2(AE2+DE2)
辺々加えて、求める関係式が得られる。
#これが最も簡潔で他の方法でも可能でしょうが大袈裟になりそう。
DD++さんからのコメントです。(平成28年2月28日付け)
高校範囲程度で証明するなら、GAIさんの挙げた方法以外だとこんなとこでしょうか?他に
もあるかな?
[証明2](余弦定理・数学I)
∠ADE=θとして、余弦定理より、
AB2 = AD2 + BD2 + 2 AD・BD cosθ 、AC2 = AD2 + CD2 - 2 AD・CD cosθ
BD=DE=EC なので、この2式からθを消去すると、 2AB2 + AC2 = 3AD2 + 6DE2
同様に、∠AED=φとして、 AB2 + 2AC2 = 3AE2 + 6DE2
2式を加えて両辺を3で割ると得られる。
[証明3](中線定理その2・数学A?)
辺BCの中点をMとすると、これは線分DEの中点でもある。よって、中線定理を2回用いて、
AB2 + AC2 = 2 { AM2 + 9DM2 } = 2 { AM2 + DM2 } + 16DM2 = AD2 + AE2 + 4DE2
[証明4](座標で・数学II)
A(x,y)、B(0,0)、D(a,0)、E(2a,0)、C(3a,0) となるように座標を取ると、
AB2 + AC2 = x2 + y2 + (x-3a)2 + y2 = 2x2 - 6ax + 9a2 + 2y2
AD2 + AE2 + 4DE2 = (x-a)2 + y2 + (x-2a)2 + y2 + 4a2 = 2x2 - 6ax + 9a2 + 2y2
よって成立。
[証明5](複素数平面で・数学III)
A(z)、B(0)、D(α)、E(2α)、C(3α) となるように複素数平面を設定すると、
AD2 + AE2 + 4DE2 = |z-α|2 + |z-2α|2 + 4|α|2 = |z-3α|2 + |z|2 = AB2 + AC2
(面倒なので途中式かなり略しちゃいました……)
[証明6](ベクトルで・数学B)
AD = (2/3)AB + (1/3)AC より、|AD|2 = (4/9)|AB|2 + (4/9)AB・AC + (1/9)|AC|2
AE = (1/3)AB + (2/3)AC より、|AE|2 = (1/9)|AB|2 + (4/9)AB・AC + (4/9)|AC|2
DE = (-1/3)AB + (1/3)AC より、|DE|2 = (1/9)|AB|2 - (2/9)AB・AC + (1/9)|AC|2
よって、|AD|2 + |AE|2 + 4|DE|2 = |AB|2 + |AC|2
[証明7](あくまで線分の長さだけで頑張ってみる暴挙・数学A?)
△ABCの外接円を描き、線分ADおよびAEの延長との交点をFおよびGとする。
AD2 + AE2 + 4DE2
= AD2 + 2DE2 + AE2 + 2DE2
= AD2 + BD・DC + AE2 + BE・EC
= AD2 + AD・DF + AE2 + AE・EG (方べきの定理)
= AD・AF + AE・AG
= AD(BC・AF)/BC + AE(BC・AG)/BC
= (AD/BC)(AB・CF+AC・BF) + (AE/BC)(AB・CG+AC・BG) (トレミーの定理)
= {(AD/BC)CF+(AE/BC)CG}AB + {(AD/BC)BF+(AE/BC)BG}AC
= {(2/3)(AD/CD)CF+(1/3)(AE/CE)CG}AB + {(1/3)(AD/BD)BF+(2/3)(AE/BE)BG}AC
= {(2/3)AB+(1/3)AB}AB + {(1/3)AC+(2/3)AC}AC (あちこちの三角形の相似)
= AB2 + AC2
りんごさんからのコメントです。(平成28年2月28日付け)
GAIさん、DD++さん、ありがとうございますm(_ _)m。まさかこんなにも証明方法があるとは
思いませんでした。