久しぶりの書き込みです。最近気になることを耳にしたのですが、中々証明できず困って
います。
実確率変数Xの中央値をm、期待値をμ、標準偏差をσとすると、常に、|m-μ|≦σ
が成立する
というものです。この性質、本当に成り立つなら結構綺麗な定理だと思うのですが、確率統
計学の世界では有名なのでしょうか。
ちなみに、|m-μ|≦σが成り立つことは、Chebyshev の定理から簡単に示すことがで
きます。
ペントミノさんからのコメントです。(平成28年2月27日付け)
この関係式(定理?)を初めて見ました。興味がわいたので証明を試みました。
確率密度関数を f(x) とおく。中央値を m とすると、∫-∞m f(x)dx=∫m+∞ f(x)dx=1/2
平均は、μ=∫-∞+∞ x f(x)dx 、分散は、σ2=∫-∞+∞ (x-μ)2 f(x)dx
小さい方半分の平均は、a=2∫-∞m x f(x)dx 、大きい方半分の平均は、b=2∫m+∞ x f(x)dx
特に、∫-∞m (x-a) f(x)dx=∫m+∞ (x-b) f(x)dx=0
このとき、以下が成り立つ。
μ=(a+b)/2 、μ-m=(a+b-2m)/2
a≦m≦b より、-(b-a)/2≦μ-m≦(b-a)/2 なので、|μ-m|≦(b-a)/2 ・・・(*)
σ2=∫-∞m [(x-a)-(μ-a)]2 f(x)dx +∫m+∞ [(x-b)-(μ-b)]2 f(x)dx
=∫-∞m (x-a)2 f(x)dx + (μ-a)2∫-∞m f(x)dx +∫m+∞ (x-b)2 f(x)dx + (μ-b)2∫m+∞ f(x)dx
右辺第1項と第3項は正であるから、 σ2≧(μ-a)2/2 + (μ-b)2/2=(b-a)2/4
(*)より、 σ2≧(μ-m)2 なので、 σ≧|μ-m|
DCOさんからのコメントです。(平成28年3月4日付け)
ペントミノさん、ありがとうございます!簡潔に証明できるのですね。特に、分散の
σ2=∫-∞m [(x-a)-(μ-a)]2 f(x)dx +∫m+∞ [(x-b)-(μ-b)]2 f(x)dx
という式変形、どこかの教科書で見たような変形で、私の勉強不足、経験不足を痛感させら
れました。離散のときも同様の手順で証明できそうですね。とても勉強になりました。