一般的には総論賛成・各論反対という言葉が使われるが、世の中では、各論賛成なのに
総論反対となってしまう場合も起こり得る。
例えば、有権者が5人いて、次の3つの政策に対して賛否を問うた結果、次のような表の
ようになった。各政策の賛否は、有権者の人数が多い方で決め、各有権者は、3つの政策
のうち2つ以上賛成の場合に限り、反対の政策があっても総論は賛成とする。
A | B | C | 総論 | |
1 | × | × | ○ | × |
2 | × | ○ | × | × |
3 | ○ | × | × | × |
4 | ○ | ○ | ○ | ○ |
5 | ○ | ○ | ○ | ○ |
各論 | ○ | ○ | ○ |
左の表から、政策毎に賛否をとると、すべ
て賛成となるのだが、全体の政策を鑑みて
賛否をとると、総論は、多数決で「反対」とな
ってしまう。
多数決は本当に有権者の意向を反映する
ものだろうか?
(参考文献) 坂井豊貴 著 「多数決を疑う―社会的選択理論とは何か」 (岩波新書)