352−187 を計算する場合、日本の小学校では、「繰り下がり」により答を求めている。
十の位の5から1を借りてきて、12−7は5。さらに、百の位の3から1を借りてきて、14−8
は6。最後に、百の位を計算して、2−1は1。よって、答は、165 となる。
このような計算問題を欧米人に出してみると、日本人とは違う計算をすると、聞いたことが
ある。たとえば、次のように計算するらしい。
187 と 352 の間に適当な数(たとえば、200)を挿入して、
352−187=(352−200)+(200−187)=152+13=165
これは、補数の考えを応用したものだが、繰り下がりがない分、計算は随分楽だ。実は、
私も、このような計算を密かに愛用している。
(追記) 令和6年6月17日付け
繰り下がり計算の基本は、「補数」の活用である。
ある一桁の数aに対して、足して10になる数とか、足して9になる数などを補数と言う。
例 7+8=7+(3+5)=(7+3)+5=15 ・・・ 7の補数3を8から作る
例 15−6=(5+10)−6=5+(10−6)=5+4=9 ・・・ 6の補数に注目する
筆算的には、 15−6=(10−6)+5=4+5=9 と考えた方が自然かもしれない。
例 105−48=(90+15)−(40+8)=(90−40)+(15−8)=50+7=57
この式変形を次のように考えれば、暗算で楽勝だろう。
練習問題 102−47 を計算せよ。
(解) 53+2 から、答えは、55 (終)
「100・・・0−a 」の計算で、繰り下がりを回避するには、
一の位は、「足して10」、一の位以外は、「足して9」の補数を考えればよい。
例 1000−255=999−255+1=745 と考えれば、全ての位について、「足して9」
の補数を考え、最後に、1を加えてもよい。
この「100・・・0−a 」のタイプの繰り下がりの計算は、「お釣り」の問題で活躍する。
例 100円硬貨を出して、42円を支払うとき、お釣りはいくらか?
(答え) 58円
例 1000円札を出して、638円を支払うとき、お釣りはいくらか?
(答え) 362円