・数列の収束                               鱒 氏

 数列 an を、 an+1 = an + 1/an 、a1=1 で定めるとき、limn→∞ an・nr が 0 でない実数に
収束するような実数 r の値とその時の収束値を求めよ。

#2006年の東大の問題にインスピレーションを受けて思い付きましたが、皆さんはどうお解
 きになりますか。


 GAI さんからのコメントです。(平成27年12月11日付け)

 r=-0.4905・・・・ 、収束値:1.47712・・・・ → あくまでも数値的実験です。


 DD++さんからのコメントです。(平成27年12月11日付け)

 解いてみました。

[メモ計算] nが十分大きいときに a_n≒kn^(-r) だとすると、

  a_(n+1) ≒ k(n+1)^(-r) ≒ kn^(-r)-krn^(-r-1) = a_n-krn^(-r-1)

なので、-krn^(-r-1) ≒ (1/k)n^r と考えると、 r=(-1/2)、k=√2 と予想される。
                                            [メモ計算ここまで]
 まず、a_n ≧ √(2n-1) を示す。

 a_(n+1)^2 = a_n^2 + 2 + 1/a_n^2 ≧ a_n^2 + 2 より、a_n^2 ≧ a_1^2 + 2(n-1) = 2n-1 > 0

 よって a_n ≧ √(2n-1)

次に、n≧2 のとき a_n ≦ √(2n-3) + 1 であることを示す。

 a_n = (a_n-a_(n-1)) + (a_(n-1)-a_(n-2)) + …… + (a_2-a_1) + a_1

= 1/a_(n-1) + 1/a_(n-2) + …… 1/a_1 + 1

≦ 1/√(2n-3) +1/√(2n-5) + …… 1/√3 + 1 + 1

≦  ∫[x:1->n-1] 1/√(2x-1) dx + 2

= √(2n-3) + 1

 よって、a_n ≦ √(2n-3) + 1

 すなわち、n≧2 において、√(2n-1) ≦ a_n ≦ √(2n-3) + 1 なので、

  √(2-1/n) ≦ a_n n^(-1/2) ≦ √(2-3/n) + 1/√n

 よって、r=(-1/2) で、a_n n^r は収束し、その値は √2。


 鱒さんからのコメントです。(平成27年12月11日付け)

 DD++さん正解です!僕は、別の方法でこの答えを見つけました…。



                         投稿一覧に戻る