xyz=1、x+1/x=a、y+1/y=b、z+1/z=c のとき、a2+b2+c2−abc の値を求
めよ。
(出典:一橋大学(1976年の2次試験の問題)・・・よおすけさんよりご教示いただきました。)
という問題に対して、正統的な解法はおそらく次のようなものだろう。
a2+b2+c2−abc
=(x+1/x)2+(y+1/y)2+(z+1/z)2−(x+1/x)(y+1/y)(z+1/z)
=x2+2+1/x2+y2+2+1/y2+z2+2+1/z2−xyz−zx/y
−yz/x−z/xy−xy/z−x/yz−y/zx−1/xyz
=x2+2+1/x2+y2+2+1/y2+z2+2+1/z2−1−/y2−1/x2−z2−1/z2−x2−y2−1
=4
このように計算してもそれほど大変ではないけれども、これに対して、マークシート方式の
問題独特の解法がそんざいする。
「xyz=1」から見当をつけて、「x=1、y=1、z=1」とし、a=b=c=2から、
与式=4+4+4−8=4
時間が限られた試験でしかもマークシートの試験だったら断然こちらの方が速い。
このような誤った考え方が許されてしまうところがマークシートの弊害である。
aoi さんからのコメントです。(平成27年10月16日付け)
Webサイト「受験の月 センター試験数学の裏技」に「穴埋め的裏技」として紹介されてい
ますね。センター試験を作問した教授が「裏技を知っているのも使いこなせるのも能力のう
ち」と述べたことがあるようで、穴埋め的裏技は「誤った考え方」ではないと考えます。