自然数は、特定の素数を特定の個数を組み合わせて構成されている。そこで、一般に、自
然数nを製品とし、これを作るために使用する素数を材料p(ただしpが大きくなるほど材料費
が嵩むとする)とイメージを膨らまし、n=(p1)e1・(p2)e2・・・・・(pn)en (p1、p2、・・・、pnは素数)
と素因数分解されたとき、
n'=n(e1/p1+e2/p2+・・・+en/pn)
なる数値n'を考えると、n→n'は製品nを作り出すための材料費の効率的使用の目安を計る
指標と考えられなくもない。
例 n=12=22・3→n'=12(2/2+1/3)=16 、n=18=2・32→n'=18(1/2+2/3)=21 、
n=30=2・3・5→n'=30(1/2+1/3+1/5)=31
n=p(素数)→n'=n(1/n)=1 となり、すべて素数は1が対応する。
また、n'は必ず整数となり、特にn=1→n'=0 とするものとする。このとき、
(1) n'=60 を満たすnは?
(2) 1≦n≦1000 の範囲で、n'が最大値になるnは?
(3) 一般に、n=n' を満たすnは?
(4) 1<n<10000 においてのΣGCD(n,n')の値は?(GCDは最大公約数)
DD++さんからのコメントです。(平成27年10月5日付け)
この式だとpが小さくなるほど材料費が嵩むのでは?以下、ある程度直感で回答(not解答)
します。
(1)について、 n=36,371,611,731,779,851,899
直感的にはこれで過不足なく全部になるだろう感じがしますが、どうでしょうか。
(2)について、そこそこ大きくなりそうな候補は、n=512,768,864,972 あたり
感覚的に一番大きくなりそうなのは、768
(3)について、pを素数として、n=pp
これは明らかですね。
(4)について、n→∞で平均=合計/n→∞となりそうで、感覚で見積もりづらいですね。
合計/nlogn くらいで収束しそう。それでもどうにか多少の計算程度で予想するなら、平均は
(1+3/4*6+10/9*2+36/25)≒9.16より少し大きいくらいだと思うので、10万から12万くらいでしょ
うか?
GAI さんからのコメントです。(平成27年10月5日付け)
確かに「この式だとpが小さくなるほど材料費が嵩む」ですね。気持ち的に安い材料で作り
上げれば、材料費の切り詰めになると思ってこの”材料費の効率的使用”という表現になっ
てしまいました。
(1)を満たすnは、上記に限ります。
(2)について、ベスト3は、n=960->n'=3392 、n=768->n'=3328 、n=896->n'=3264
ちなみに、 n=864-> 第 4位 、n=512-> 第11位
(3)について、「これは明らか」がすごい。
(4)について、理論的に出そうと頑張ったが、複雑過ぎたので、助手に手伝わせ、 173199
これは、n'としてArithmetic derivative (算術微分)という概念があるらしく、
(n*m)'=n'*m+n*m' 、(p^a)'=a*p^(a-1) 、(n/m)'=(n'*m-n*m')/m^2
なる関係式が成立し、正に微分を彷彿とさせる。しかし、(n+m)'≠n'+m' となるところが面白い。
(もちろん特殊のn、mでは成立する。)
また、n'=n+1の関係が成立するn(30,858,1722,66198,2214408306,・・・・)では、nの素因数を
pとすると、(n/p)-1は必ずpで割り切れる。
n=30=2・3・5 30/2-1=14->2で割れる 、30/3-1=9->3で割れる 、30/5-1=5->5で割れる
n=858=2・3・11・13 858/2-1=428->2で割れる 、858/3-1=285->3で割れる 、
858/11-1=77->11で割れる 、858/13-1=65->13で割れる
n=1722=2・3・7・41 1722/2-1=860->2で割れる 、1722/3-1=573->3で割れる 、
1722/7-1=245->7で割れる 、1722/41-1=41->41で割れる
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DD++さんからのコメントです。(平成27年10月5日付け)
(2)について、思ったより素材の差が出ないんですね。ある程度2を押し込んだら、あとは
1000近くに調整する方を優先した方が強いわけですか。
(4)について、最初平均を(1+3/4*6)(1+10/9*2)+36/25≒19.16と見積もったんですが、どう
考えても10000以上になる36の倍数の影響がめちゃくちゃ入っちゃっているので、じゃあいっ
そ36の倍数の影響をまるっと切り捨てて、とやったんですが最初の方が近かった……。
「(n*m)'=n'*m+n*m'」について、pを素数として、(n*p)'=n'*p+n になりそうなことはすぐに気
づきました。とすると、小さいpを使ってこの式の"+n"の価値を相対的に高めることがnを増
加させずにn'を増加させるコツのはず。というのが(2)であれらの数字を持ち出した根拠でし
た。多分1050までだったら迷いなく1024を答えていたでしょう。