・内接円とピタゴラス数                     S.H氏

 下図の直角三角形において、3辺の長さ a、b、c がすべて整数のとき、内接円の半径 r
も整数となる。
     

 実際に、 c=a−r+b−r より、 r=(a+b−c)/2

 ここで、 a2+b2=c2 において、起こりうる場合の組(a,b,c)は、

 (偶数,偶数,偶数)、(偶数,奇数,奇数)、(奇数,偶数,奇数)、(奇数,奇数,偶数)

であるが、何れにしても a+b−c は偶数となり、 r=(a+b−c)/2 は整数となる。

 さらに、 a2+b2=c2=(a+b−2r)2 より、 ab−2r(a+b)+2r2=0 なので、

 (a−2r)(b−2r)=2r2 より、起こりえる場合は、

 (a−2r,b−2r)=(1,2r2)、(2,r2)、(r,2r)、・・・ など。

 (a,b)=(2r+1,2r2+2r)、(2r+2,r2+2r)、(3r,4r)、・・・

より、内接円の半径が r のときの直角を挟む2辺の長さが得られる。


 よおすけさんからのコメントです。(平成27年7月29日付け)

 a=3、b=4、c=5のとき、r=1となるから、逆に、(a,b)=(2r+1,2r2+2r)、(2r+2,r2+2r)、(3r,4r) に

r=1をそれぞれ代入すれば、(a,b)=(3,4)、(4,3)、(3,4) となり、元の(a,b)と一致の組は存在する。

ところが、a=20、b=21、c=29のとき、r=6 となるが、r=6を

(a,b)=(2r+1,2r2+2r)、(2r+2,r2+2r)、(3r,4r) にそれぞれ代入した場合、

 (a,b)=(13,84)、(14,48)、(18,24)

となり、元の(a,b)と一致しない。


(コメント) r=6 なので、 (a−12)(b−12)=72 から、

 (a−12,b−12)=(8,9)、・・・・ より、 (a,b)=(20,21)、・・・

 DD++さんからも平成27年7月29日付けでご指摘頂いたが、rは素数とは言っていないの
で、(a−2r)(b−2r)=2r2 の解は、(2r+1,2r2+2r)、(2r+2,r2+2r)、(3r,4r)
以外にもたくさん存在する。


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