・二度あることは三度あるか                DD++ 氏

 1つのサイコロを3回繰り返して振る試行を現実的に考える。各回の試行は独立と仮定して
よさそうだが、用いるサイコロは少し歪んでいてもおかしくないだろう。つまり、それぞれの目
が出る確率は、1/6 ずつかもしれないし、そうでないかもしれない。それでも振るごとにそれ
ぞれの出目の確率が変わっていくことはないと仮定すれば、1回目と2回目で同じ目が出たと
きに3回目もその目が出る条件付き確率は(  )。

A. 1/6 である
B. 1/6 である場合とそれより大きい場合がある
C. 1/6 である場合とそれより小さい場合がある
D. 1/6 である場合もそれより大きい場合も小さい場合もある


 GAI さんからのコメントです。(平成27年7月2日付け)

 Dが妥当のような気がします。独立(前の試行に全く影響を受けないと解釈できる。)なので、
3回目のサイコロの目は正にサイコロの目の出る偶然のみに左右される。設定から、この確
率は1/6であるかも知れないし、そうでないかも知れないなのだから3回目だろうと4回目だろ
うとn回目だろうと、この同じ目が出る条件付き確率はDが起こる。

 しかし、確率の問題はいつも雲を掴む気持ちしか起こらないのはなんでだろう?

 1回サイコロを転がすと1,2,3,4,5,6の目が出る確率が、[A]:1/6,1/6,1/6,1/6,1/6,1/6 と、
[B]:1/2,1/4,1/8,1/16,1/32,1/32 の場合の2回同じ目が出た場合に3回目も同じ目が出る条
件付き確率はそれぞれいくつになるんでしょうか? 教えてください。


 DD++さんからのコメントです。(平成27年7月2日付け)

[A]:1/6,1/6,1/6,1/6,1/6,1/6 の場合

 1回目と2回目で同じ目が出る確率は (1/6)^2×6=1/6 です。ここからさらに3回目も同じ目
が出る条件付き確率をPとすると、3回全て同じ目が出る確率は 1/6 P と書けます。ところで
これは (1/6)^3×6=1/36 であるはずなので、1/6 P = 1/36 を解いて P=1/6

[B]:1/2,1/4,1/8,1/16,1/32,1/32 の場合

 1回目と2回目で同じ目が出る確率は、

   (1/2)^2+(1/4)^2+(1/8)^2+(1/16)^2+(1/32)^2+(1/32)^2 = 171/512

です。ここからさらに3回目も同じ目が出る条件付き確率をPとすると、3回全て同じ目が出る
確率は 171/512 P と書けます。ところでこれは、

   (1/2)^3+(1/4)^3+(1/8)^3+(1/16)^3+(1/32)^3+(1/32)^3 =2341/16384

であるはずなので、171/512 P = 2341/16384 を解いて P=2341/5472 となります。


 GAI さんからのコメントです。(平成27年7月2日付け)

 一つのサイコロを転がしたときに、目1,2,3,4,5,6が出る確率をランダムに次の10パターン
に分け、DD++さんの条件付き確率の計算を真似て、それぞれの場合の2度同じ目が出た
とき3回目も同じ目になる条件付き確率P(2->3)を出してみました。

 ついでに、3度同じ目が出たとき4回目も同じ目になる確率P(3->4)も同時に計算しておき
ました。)

<パターン1> {34/501,70/109,38/349,23/279,26/1025,133074141712/1816755420825}
         →P(2->3)=0.605476 (P(3->4)=0.63691)

<パターン2> {29/334,26/111,45/149,2/67,51/292,9316767505/54036022332}
         →P(2->3)=0.23998 (P(3->4)=0.25618)

<パターン3> {131/1002,20/39,39/142,59/1235,23/2969,3426764369/130428719265}
         →P(2->3)=0.440516 (P(3->4)=0.475796)

<パターン4> {241/1002,87/133,38/959,81/1537,79/7757,617472061511/217674516561978}
         →P(2->3)=0.599801 (P(3->4)=0.63413)

<パターン5> {305/501,73/259,31/308,6/5795,43/13152,159919654289/36262201002720}
         →P(2->3)=0.541123 (P(3->4)=0.577307)

<パターン6> {223/334,35/152,1/198,26/521,37/2144,10477558409/350887398048}
         →P(2->3)=0.6169 (P(3->4)=0.650125)

<パターン7> {685/1002,7/160,43/371,56/645,31/723,555062611/20545932512}
         →P(2->3)=0.65318 (P(3->4)=0.67931)

<パターン8> {779/1002,32/227,14/619,71/1713,43/5765,4663435763897/463467886697190}
         →P(2->3)=0.754436 (P(3->4)=0.773542)

<パターン9> {931/1002,44/713,33/5521,47/31861,61/59592,837817051377109/1248162447034445592}
         →P(2->3)=0.92529 (P(3->4)=0.928887)

<パターン10> {493/501,83/6326,83/35469,90/199001,7/1827130,175233781793232221/3406115094517526768685}
         →P(2->3)=0.983854 (P(3->4)=0.98403)

 ここに、1/6=0.166667 だから、例の設問はBが該当するんですか?

 ”二度あることは三度ある”のことわざは古来より伝わる人間の豊富な経験則に基づく貴重
な真理だったんですね。もちろん、”三度あることはますます四度起こる”くわばら、くわばら・・・


 DD++さんからのコメントです。(平成27年7月2日付け)

 適当に確率設定して実験するとどうもそうらしいのです。ただし、まだ最後に「私やGAIさん
がやったら全部そうなった」と「誰がどうやっても全部そうなる」の間の壁があります。

 まあ、ひたすら微分してやれば、あるいはベクトルを利用すれば、答えがBであると証明で
きるんですが、全く別分野に飛び過ぎて、その証明が確率的な話にどんな背景を与えたかと
いうのがさっぱりわからないものになってしまい困っています。何か舞台裏が見える証明方法
はないものでしょうか。

 ところで、"三度目の正直"ということわざは、数学的にはあまり支持されないということの
ようですね。経験をフィードバックして根本の確率を変えない限りは。



                         投稿一覧に戻る