1つの正方形をいくつかの小正方形に分割する問題を考える。
4個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個などで分割が可能であることは実際に分
割を示せば十分なので容易である。
それに対して、2個で分割することが不可能であることは、方程式を作れば示せるが、
3個の分割は不可能 、5個の分割は不可能
などを示すにはどうすればいいのだろう?
らすかるさんからのコメントです。(平成27年6月14日付け)
1個の小正方形を4分割することで「3個増やす」ことが出来ますので、4、6、8個が出来るこ
とから、4個と6個以上はすべて分割可能であり、不可能なのは、2個、3個、5個の場合だけ
です。
正方形ABCDを複数個の小正方形に分割すると、少なくとも
「頂点Aを含む小正方形」 、「頂点Bを含む小正方形」
「頂点Cを含む小正方形」 、「頂点Dを含む小正方形」
が必要で、これら4つはどれも一致することがありませんので、2分割と3分割は明らかに不
可能です。(どれか2つが一致すると、4つが一致して分割しないことになります。)
以下、上記4つの小正方形を「小正方形A」「小正方形B」「小正方形C」「小正方形D」と呼ぶ
ことにします。
小正方形A、B、C、Dの一辺の長さがすべてAB/2のときは4分割ですから、もし、5分割が
できたとすると、小正方形A、B、C、Dのうち少なくとも一つは一辺の長さがAB/2より小さくな
ります。
そこで、小正方形Aの一辺の長さがAB/2より小さいとします。
もし、小正方形Aと小正方形Bが隣接せず、かつ、小正方形Aと小正方形Dも隣接しないと
すると、小正方形Aと小正方形Bの間に辺ABに接する小正方形および小正方形Aと小正方
形Dの間に辺ADに接する小正方形が少なくとも一つ必要となり、これらが一致することはあ
りませんので、6分割以上になってしまいます。
よって、5分割ができたとすると小正方形Bと小正方形Dのうち少なくとも一つが小正方形A
と隣接します。
そこで、小正方形Bが小正方形Aと隣接するとします。このとき、小正方形Bの一辺の長さ
がAB/2より大きくなりますので、小正方形Cも小正方形Dも小正方形Aと同様に一辺の長さ
がAB/2より小さくなります。
そうすると、
小正方形Aと小正方形Dの間に辺ADに接する小正方形が少なくとも一つ必要、
小正方形Cと小正方形Dの間に辺CDに接する小正方形が少なくとも一つ必要
となり、これらが一致することはありませんので、6分割以上になってしまいます。
従って、5分割は不可能です。
(参考) 正方形の分割例
4分割 | 6分割 | 7分割 | 8分割 | |||||
□△ ○☆ |
□□△ □□☆ △☆○ |
□○△△ ○□△△ △△☆☆ △△☆☆ |
□□□△△ □□□△△ □□□○□ △△○☆☆ △△□☆☆ |
□□□△ □□□△ □□□△ △△△☆ |
||||
9分割 | 10分割 | 11分割 | 12分割 | |||||
□○△ ○□☆ △☆○ |
□○△△ ○□△△ △△□☆ △△☆□ |
□□□△△ □□□△△ □□□○□ △△○□☆ △△□☆□ |
□△○○△△ △□○○△△ ○○□□☆☆ ○○□□☆☆ △△☆☆○○ △△☆☆○○ |