次の問題は、2014年に実施された近大数学コンテストの問題B-3です。解答やその他の
情報(有名な定理の特別な場合である等)をご存知の方がいらしたら、何か教えていただけ
ないでしょうか。この問題は「高等学校卒業までに学ぶ知識より少し難しい数学が必要とな
るかもしれない問題」とのことなので、フェルマーの小定理は使ってよいと思われます。
以前から折を見ては考えているのですが、なかなか糸口がつかめなくて…。なにか背景が
あるのでしょうか?よろしくお願いします。
問題 与えられた奇素数pに対し、以下の【条件】をみたす自然数nをすべて求めよ。
【条件】 f(x)=(x+1)n-xn に対して、{f(0),f(1),f(2),...,f(p-1)}≡{0,1,2,...,p-1} (mod p)
(コメント) 私の大学院の先輩のNさん達が主催している「近大数学コンテスト」ですね。今
まで名前だけは伺っていましたが、どんな問題が出題されているか知りませんで
した。数学オリンピックのような雰囲気なんですね。
問題の意味を理解するために、実験してみました。
p=3 のとき、 f(x)=(x+1)n-xn に対して、f(0)=1 、f(1)=2n-1 、f(2)=3n-2n
{f(0),f(1),f(2)}≡{0,1,2} (mod 3) となるためには、 2n-1≡0 または 3n-2n≡0
mod 3 で、2n≡3n≡0 をみたす自然数nは存在しない。よって、2n-1≡0 (mod 3)
このとき、 2n=(3-1)n≡(-1)n≡1 (mod 3) より、 n=2k (k=1,2,3,・・・・) であることが分かる。
GAI さんからのコメントです。(平成27年4月29日付け)
n=(p-1)*k+3-p (k=1,2,3,・・・・) であるらしいことは実験から言えるのですが、何故かは示
せません。でも、こんな規則が起きるなんて面白いですね。
まったく関係ないかも知れませんが、
p:奇素数、n:自然数 (n,p-1)=m (最大公約数)とする。この時、任意のa∈{0,1,2,3,・・・・,p-1}
に対し、 x1n+x2n+x3n+・・・・+xmn≡a (mod p) を満たす(x1,x2,x3,・・・・,xm)なる自然数の組が
存在する、ということも深い部分で繋がっているようにも思います。
DD++さんからのコメントです。(平成27年4月30日付け)
なるほど、ポイントから考えるにダントツの最難問ですよね。
とりあえず、 n=2+k(p-1) (k=0,1,2,……) で条件を満たすことと、n が奇数ではダメなことは
すぐ証明できますが、他はなかなか厄介ですね。取らない値やダブる値の出現パターンも何
種類かありますし、ブレイクスルーが必要なようです。