・トランプ占いの数理 GAI 氏
トランプで、1〜13のカードをシャッフルしてテーブルに上から一枚ずつ、カードを左から右
に並べていく。
次に出すカードが並んだカードの右端にあるカードの数字より少なければこのカードは横
には並べず捨てる。
こうして最後までテーブルに残るカードの中に数字8が残る確率が知りたい。
さらに、ルールを少し変更して、1(エースカード)に特別な役目を持たせ、右端がどんなカ
ードでも捨てずに横に並べて置けて、次のカードはどんなものでも場から捨て去る。ただし、
この次のカードからは上記の通常のルールで進行していく。
例:シャッフル後のカードの配列 テーブルに並ぶカード
{13, 1, 9, 2, 5, 8, 7, 11, 3, 4, 6, 10, 12} ==> {13,1,2,5,8,11,12}
こうして最後までテーブルに残るカードの中に数字8が残る確率が知りたい。できたら、各
数字が残るそれぞれの確率を知りたい。
らすかるさんからのコメントです。(平成27年4月11日付け)
前者のルールでは、「数字nのカードが残る」のは「数字nより大きいカードが全部数字nの
カードより右になる」ということですから、数字nが残る確率は、1/(14-n)となります。
特に、数字8が残る確率は1/(14-8)=1/6です。
後者のルールでは、n≠1に対して、「数字nのカードが残る」のは「数字nより大きいカードと
数字1が全部数字nのカードより右になる」または「数字1が数字nのカードより二つ以上左に
あり、かつ数字nより大きいカードは全部、数字1より左か数字1の右隣か数字nより右にある」
ということですから、数字nが残る確率は、
1/(15-n) + (n-2)/{13(15-n)} + (13-n)/{13(14-n)}= (349-25n)/{13(14-n)(15-n)}
となります。具体的な値は、
前者
1: 479001600/13! ≒ 0.07692308
2: 518918400/13! ≒ 0.08333333
3: 566092800/13! ≒ 0.09090909
4: 622702080/13! ≒ 0.10000000
5: 691891200/13! ≒ 0.11111111
6: 778377600/13! ≒ 0.12500000
7: 889574400/13! ≒ 0.14285714
8: 1037836800/13! ≒ 0.16666667
9: 1245404160/13! ≒ 0.20000000
10: 1556755200/13! ≒ 0.25000000
11: 2075673600/13! ≒ 0.33333333
12: 3113510400/13! ≒ 0.50000000
13: 6227020800/13! ≒ 1.00000000
後者
1: 6227020800/13! ≒ 1.00000000
2: 918086400/13! ≒ 0.14743590
3: 994291200/13! ≒ 0.15967366
4: 1084285440/13! ≒ 0.17412587
5: 1192181760/13! ≒ 0.19145299
6: 1323907200/13! ≒ 0.21260684
7: 1488326400/13! ≒ 0.23901099
8: 1699315200/13! ≒ 0.27289377
9: 1979873280/13! ≒ 0.31794872
10: 2371057920/13! ≒ 0.38076923
11: 2953843200/13! ≒ 0.47435897
12: 3911846400/13! ≒ 0.62820513
13: 5748019200/13! ≒ 0.92307692
です。
GAI さんからのコメントです。(平成27年4月11日付け)
らすかるさん、考察ありがとうございます。前者確率、後者確率の式が知れたのはよかった
です。
前者は、カードを実際に操作していたら、そうか!と感じられ、こちらは自分も気付けました。
一方これでは余りにも法則性が強すぎて、ゲーム的には単調だと感じたので、後者のルール
を取り入れることを考えました。
ところが、これの確率を考えていたらまさにこんがらがってきました。そこで、この操作を自
動で行えるプログラムを作ろうといろいろ組んでみるんですが、同じプログラムなのに最初の
配列により上手く行ったり、実際の配列とは異なる結果になったりと、どこで分岐をさせてプ
ログラムを組み立てればいいのか分からなくなり、結局何回も実験して統計量を採ることも叶
わず、でも確率の前者との変化は知りたい、ということでお尋ねしました。
いつも感心するんですが、よくこんな入り組んだ確率をスイスイと式に組み立てられますね。
DD++さんの忠告ではありませんが、確率の本質が全く分かっていないのが原因だと思われ
ます。