・ ニッチもサッチも                 S.H氏

 「ニッチもサッチも」は「二進も三進も」と書かれ、下に打消しの「〜でない」をともなって
普通使われる。「身動きがどうにもとれない状態」のことを、「二進も三進も行かない」と
いうが、この「二進」や「三進」は、そろばん用語で、2つ重ねることにより、打消しを強調
している。
 そろばんの世界では、2を2で割ると割り切れて商に1が立つということを、「二進一十」
(にしんいんじゅう)というらしい。でも、私の周りのそろばんに詳しい方に聞いても、この
言葉は知らないという。私自身、この「一十」の意味が掴み切れない。誰か詳しい方、
ちら
にメールを下さい。「三進一十」(さんしんいんじゅう)も同様な意味らしい。

 したがって、割り切れて商が立てば、計算のやりくりもつき、商売も順調だが、割り切れ
ないと、どうにもやりくりがつかなくなって、商売の方も身動きがとれなくなるということが、
本来の意味のようだ。



(参考文献:播州そろばん
      上記のホームページで、昔習ったそろばんの記憶を思い出すことができた。とても分かりやすく
       解説されている。


       渡辺富美雄・村石昭三・加部佐助 著 日本語話題事典(ぎょうせい))


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