・人間の思考方法                        GAI 氏

 テーブルに4枚のカードが次の文字や数字が書かれた面が見える向きで置かれている。

  カードA:E 、カードB:G 、カードC:6 、カードD:9

 今、「母音のカードの裏には偶数の数字が書かれている。」という仮説を確かめるために、
あなたはどのカードをひっくり返しますか?


 らすかるさんからのコメントです。(平成27年2月7日付け)

 回答:カードA

 理由:「母音が書かれたカード」でなく「母音のカード」だから。


 GAI さんからのコメントです。(平成27年2月7日付け)

 そうきましたか。では仮説:「母音が書かれたカードの他方の面には偶数の数字が書かれ
ている。」とすれば、どのようにしますか?


 DD++さんからのコメントです。(平成27年2月7日付け)

 私なら全部ひっくり返しますね。

 最少手数なら

・Aをひっくり返して偶数を確認
・B、Dをひっくり返して母音が書かれていないことを確認

でしょうが、最短時間でならCをひっくり返すべきか考えるよりも実際にひっくり返してしまった
方が早いので。


 らすかるさんからのコメントです。(平成27年2月8日付け)

 Cをひっくり返して、逆さに母音が書かれている可能性もありますので、Cもひっくり返さない
とまずいと思います。「6」ですので・・・。


 DD++さんからのコメントです。(平成27年2月8日付け)

 いえ、裏が母音→母音の裏が偶数なので問題なし、裏が子音か数字→このカードに母音
はないので関係なしなので、Cは絶対に仮説を崩すことがありません。


 らすかるさんからのコメントです。(平成27年2月8日付け)

 え?Cをひっくり返して「逆さに」母音がかかれていたら、今まで見えていた「6」は実は「9」
だったということになると思うのですが・・・。

# 数字が「2」や「3」でなく「6」や「9」になっていますので、そういう意味が問題に含まれてい
 る、と解釈しました。もし「6」や「9」の裏が「O」だったら仮説の真偽は不明ですね。


 DD++さんからのコメントです。(平成27年2月8日付け)

 「6」をカードの右辺を持って左に倒すようにめくったら文字が逆さに出るような場合は、上
辺を持って下に倒すように捲り直せばいい話と思います。逆もまた然り。

 そもそも表と裏に文字が書かれている時点で左右か上下のどちらかは絶対に逆さまなん
ですから、何の言及もなしに「逆さまに書かれている」というのはどういう状況を指しているの
かよくわかりませんしね。


 らすかるさんからのコメントです。(平成27年2月8日付け)

 私は、問題で故意に「6」や「9」を含めていたり、タイトルが「人間の思考方法」であること
から、最初からこれは数学の問題ではなくクイズだと思いました。だから最初の私の回答が
あのような回答だったのです。
 (カードの裏返し方はDD++さんのおっしゃる通り1通りではありませんので、真面目かつ厳
密な数学の問題ならば、裏返しても問題のない文字に限定すると思います)

 「真面目な数学の問題」ならば、まったくDD++さんのおっしゃる通りで、「クイズ」であれば
「6をひっくり返せば9」も考えるのが普通で、しかも、「クイズ」の場合は「裏返し方」も「一般
常識に沿った裏返し方」、すなわち、ページをめくるような裏返し方を想定してもよいと思い
ます。

 一般には、両面印刷の1枚の印刷物をページをめくるように裏返して逆さになれば、「これ
は上辺を持ってめくる印刷物だ」とは考えず、「裏が印刷ミスで逆向きになっている」と考えま
すよね。


 DD++さんからのコメントです。(平成27年2月8日付け)

 どうでしょう。カードの場合は縦にめくる方もかなりの数いると思いますけれど。


 らすかるさんからのコメントです。(平成27年2月8日付け)

 トランプの場合は、上下どちらから見ても良いように、逆さの文字も一緒に印刷されていま
すので、どちらにめくっても同じだからでしょうね。しかし、トランプの裏面のように模様だけで
なく文字が印刷されていて、かつ上下逆の文字が印刷されていない印刷物でしたら、(それ
がカード形状で一文字だけであっても、「裏に書いてある文字を読もう」という意思があれば)
裏返す時に縦にめくる人はあまりいないと思います。

# こういう厳密な結論が出ない議論は無意味だと思いますが、「人間の思考方法」というタイ
 トルからして、そういう点が問題のポイントの一つなのかも知れませんね。


 GAI さんからのコメントです。(平成27年2月8日付け)

 お二人のこちらが想像もしていなかった部分にも神経を行き届かせながら思考をおこなっ
ている様子がとても面白かったです。らすかるさんが指摘された6と9の数字はたまたまであ
り、パズルとして意識してはいませんでした。

 元はマーカス・デュ・ソートイ氏の著書「シンメトリーの地図帳」の中の記事で、人間の脳は
本能的にシンメトリーなものを無意識的に探す様に進化しており、思考する場合でもその事
は変わらず、シンメトリー的思考に引きずられているという。

 これを示す実験として、この4枚のカードを使って調査されたらしく、論理的正解はAとDの
カード(4%位の正解率という。)

 今確認すべきは、「母音が書かれたカードの裏面に必ず偶数が書かれているかどうか?」
ところで人間の脳はシンメトリーを見つけ出そうと意気込むあまり、偶数が書かれているカー
ドの裏面が必ず母音であるかどうかまで確認しようとする。そのため、脳は「Cのカードを見て
みろ!」と指令を出す。あるいは、<裏>に相当する「子音なら奇数だろう。Bのカードを見て
みろ!」と囁く。

 だが、実際にBのカードの裏にへのへの文字や、Cのカードの裏に子音が書かれていても
何ら差し障りはない。(勿論数字が書かれていてもよい。)

 この点、DD++氏の指摘は見事でした。確認すべき内容とぶつかる可能性があるのはDの
カードである。なぜなら、Dのカード裏に母音が書かれていたら、仮説は嘘ということになるか
らである。

 人間の潜在意識は、ある種のシンメトリーな論理に従って機能しているらしく、「仮にAであ
るならばBである」ということが正しければ、その逆「仮にBであるならばAである」も正しいと
考えてしまう。

 ところが、逆は必ずしも真にならず、論理的な演繹はシンメトリーにならないのが普通であ
り、最後にジグムント・フロイトの言葉:「人間の脳は、シンメトリーなど存在しないところにも
シンメトリーを見たがる。」が添えられていた。

 このマーカス・デュ・ソートイ氏はオックスフォード大学数学研究所教授で、数学の世界を
広く一般大衆にも分かり易く伝える本を多数執筆されており、その貢献が認められ大英帝
国勲章を授与されているという。実際、この本を読んでいると、ぐいぐいと引き込まれていく
構成力と数学の裏にいる人間に光を当てながらストーリーを展開(史実に基づきながら)し
ていく知識の幅広さを感じます。


 らすかるさんからのコメントです。(平成27年2月8日付け)

 クイズではなく真面目な問題だったのですね。

 「 論理的正解はAとDのカード(4%位の正解率という。)」とのことですが、Bの裏に母音が
書かれていたら仮説は否定されますので、問題(か答え)がおかしいと思います。


 GAI さんからのコメントです。(平成27年2月8日付け)

 前提条件に「片面には文字、もう一方には数字が書かれている4枚のカードがある。」で設
定しておかなければいけませんね。


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