・どう理解?                              GAI 氏

 未だに釈然としないものに次のことがある。

 1+1+1+1+1+・・・・・=∞ 、1+2+3+4+5+・・・・・=∞ であることは明白である。ところで、オイラ
ーゼータ関数ζ(s)=Σn=1〜∞ 1/ns  (s>1) を解析接続して、sを複素数まで拡張させたリ
ーマンゼータ関数(s≠1)にしてみると、

 ζ(0)=-1/2 、ζ(-1)=-1/12 、ζ(-2)=0 、ζ(-3)=1/120 、ζ(-4)=0 、ζ(-5)=-1/252
 ζ(-6)=0 、ζ(-7)=1/240 、・・・・・・・・・・

なる値が算出されるが、このことは、

 1+1+1+1+1+・・・・・=-1/2 、1+2+3+4+5+・・・・・=-1/12 、1^2+2^2+3^2+4^2+5^2+・・・・・=0
 1^3+2^3+4~3+4^3+5^3+・・・・・=1/120 、1^4+2^4+3^4+4^4+5^4+・・・・・=0
 1^5+2^5+3^5+4^5+5^5+・・・・・=-1/252 、1^6+2^6+3^6+4^6+5^6+・・・・・=0
 1^7+2^7+3^7+4^7+5^7+・・・・・=1/240

と解釈できる。また、この値を元にすると、

 1-1+1-1+1-・・・・・=1/2 、1-2+3-4+5-・・・・・=1/4 、1^2-2^2+3^2-4^2+5^2-・・・・・=0
 1^3-2^3+4~3-4^3+5^3-・・・・・=-1/8 、1^4-2^4+3^4-4^4+5^4-・・・・・=0
 1^5-2^5+3^5-4^5+5^5-・・・・・=1/4 、1^6-2^6+3^6-4^6+5^6-・・・・・=0
 1^7-2^7+3^7-4^7+5^7-・・・・・=-17/16

なる等式が導ける。これらは明らかに直感に反する。

 しかし、例えば、1-2+3-4+5-・・・・・=1/4 を理解するには発散や振動する級数でもチェザ
ロ和なるものから決まる極限値が存在でき、一般に数列{pn}が与えられたときpnのk部分和
を、ak=p1+p2+・・・・・+pk で定義して決まる数列{an}に対して、

 anの平均数列 bn=(a1+a2+a3+・・・+an)/n

からできる{bn}を考え、その極限が存在したらその値をpnの平均極限とする。

 bnが収束しないならば、再び、bnの平均数列cn=(b1+b2+b3+・・・+bn)/n からできる{cn}を
考える。

 この極限値の変更した定義で調べていくと、{pn}:1,-2,3,-4,5,・・・・・ に対し、

 {an}:1,-1,2,-2,3,・・・・・
 {bn}:1,0,2/3,0,3/5,・・・・・
 {cn}:1,1/2,5/9,5/12,34/75,・・・・・

まで進んだとき、cn→1/4 に収束することが起こる。以降、{dn}、{en}、・・・も1/4に収束する。

 この解釈をすることで、下段の他の等式は納得できました。しかし、どうしても理解できぬ
のが上段にある一連の等式です。量子力学においてエネルギーの放射活動における力(カ
シミール効果)がこれらの等式で説明できるという記事を読むことはあるんですが、こんな世
界のことは理解を超えます。

 どなたかこの辺の事情についてこれらの等式をどの様に理解しておけば良いのかのヒン
トを教えて下さい。


 DD++さんからのコメントです。(平成27年1月5日付け)

 例えば、 A=1+2+3+4+…… 、B=1-2+3-4+…… の間には、A-B = 2(2+4+6+8+……) = 4A
つまり、 A = -1/3 B なる関係があります。B はチェザロ和を考えると 1/4 なので、当然 A
は、 -1/12 になる、という話だったと記憶しています。もちろん、これを正しいとみなすかどう
かは極限というものをどう取り決めるか次第。


 GAIさんからのコメントです。(平成27年1月6日付け)

 では、A+B=2+6+10+14+18+・・・・・=2(1+3+5+7+9+・・・・・)=-1/12+1/4=1/6 つまり、
  1+3+5+7+9+・・・・・=1/12(=-1-2-3-4-5-6-・・・・・)
なることも有り得るわけでしょうか???


 DD++さんからのコメントです。(平成27年1月6日付け)

 「となることも"あり得る"」なら正しいと思います。「となる」と言ってしまったら大問題ですが。


 空舟さんからのコメントです。(平成27年1月6日付け)

 解析接続についてはもっと分かりやすい例を1つ:

 f(x)=1+x+x2+x3+... を解析接続すると、g(x)=1/(1-x) を得ますが、g(2)=-1 だからといって
1+2+4+8+... = -1 「と解釈できる。」と言って良いのかは怪しいと思っています。

 1+2+3+4+5+・・・・・=-1/12 については、「2009年のコラム(閑話休題)」の「杉本氏の学習
ノート」という項にて考察されているのを読んだことが有ります。内容は十分に理解してない
のですが、とりあえず事情は結構複雑のようです。


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