・自然数に潜む不思議 GAI 氏
自然数をいろいろな視点から分類してみる。
パターン1: 異なる偶数の素因数を含めば、1
異なる奇数の素因数を含めば、-1
指数が2以上であれば、0
パターン2: パターン1の-1を1へ変更
パターン3: 指数だけの和が偶数なら、1
奇数なら、-1
パターン4: 素数1個(p)だけのベキで構成されているときは、Log[p]
それ以外は、0
上のパターンに従って、自然数nを分類しました。(→表)
パターン1、2、3、4 でできる数列をそれぞれ a(n)、b(n)、c(n)、d(n) とし、次の無限和をとっ
てみる。
Σn=1〜∞ a(n)/ns= 1-1/2^s-1/3^s-1/5^s+1/6^s-1/7^s+1/10^s-1/11^s-・・・
Σn=1〜∞ b(n)/ns= 1+1/2^s+1/3^s+1/5^s+1/6^s+1/7^s+1/10^s+1/11^s+・・・
Σn=1〜∞ c(n)/ns= 1-1/2^s-1/3^s+1/4^s-1/5^s+1/6^s-1/7^s-1/8^s+1/9^s+・・・
Σn=1〜∞ d(n)/ns= Log[2]/2^s+Log[3]/3^s+Log[2]/4^s+Log[5]/5^s+Log[7]/7^s+・・・
さて、これらの正体は如何?
自然数全体を対象にした次のリーマンゼータ関数
Zeta[s]= 1+1/2^s+1/3^s+1/4^s+1/5^s+1/6^s+1/7^s+1/8^s+1/9^s+・・・
と、次の関係式が成立するというから驚きである。
Σn=1〜∞ a(n)/ns= 1/Zeta[s] 、Σn=1〜∞ b(n)/ns= Zeta[s]/Zeta[2s]
Σn=1〜∞ c(n)/ns= Zeta[2s]/Zeta[s] 、Σn=1〜∞ d(n)/ns= -Zeta'[s]/Zeta[s]
DD++さんからのコメントです。(平成26年12月19日付け)
少し考えてみましたが、こういう感じでしょうか?暗算したので計算ミスがなければですが。
パターン2の一般化:指数にk-1以下のものしかなければ1、k以上のものがあれば0
Σn=1〜∞ b(n,k)/ns = Zeta[s]/Zeta[ks]
パターン1の一般化:指数の合計が偶数なら1、奇数なら-1、
ただし、指数k以上のものがあれば0
Σn=1〜∞ a(n,k)/ns = Zeta[2s]/Zeta[s]Zeta[ks] (k:偶数)
Σn=1〜∞ a(n,k)/ns = Zeta[2s]Zeta[ks]/Zeta[s]Zeta[2ks] (k:奇数)
で、パターン3 と Σn=1〜∞ c(n)/ns = lim [k->inf] Σn=1〜∞ a(n,k)/ns という関係になって
るわけですかね。
GAIさんからのコメントです。(平成26年12月20日付け)
パターン2の一般化の確認をしてみました。(→ 計算結果)計算では∞とはいかないので、
一応100000までの値で見ています。
計算結果によれば、DD++さんの予想はピタリとあたっているものと思われます。これを手
計算で予測するなんて、DD++さんの頭の中はどうなっているんですか?
DD++さんからのコメントです。(平成26年12月21日付け)
実はそんなに難しいことはしてません。例えば、b(n) のやつは「平方要素を含まない全て
の自然数の-s乗」なので、
{1+2^(-s)}×{1+3^(-s)}×{1+5^(-s)}×{1+7^(-s)}×{1+11^(-s)}×……
を展開するとダブりも抜けもなく1つずつ出てきます。これをオイラー積と比較して形を合わ
せているだけです。他のも同様。等比級数の処理に慣れていれば手計算どころか紙すら不
要な計算しか実はしてなかったりします。