・素数と自然数の関係 GAI 氏
自然数全体は、
ζ(s):=1+1/2^s+1/3^s+1/4^s+・・・+1/n^s+・・・
=(1+1/2^s+1/4^s+1/8^s+・・・)(1+1/3^s+1/9^s+1/27^s+・・・)(1+1/5^s+1/25^s+1/125^s+・・・)・・・
=1/(1-1/2^s)*1/(1-1/3^s)*1/(1-1/5^s)*・・・*1/(1-1/p^s)*・・・ (p:prime)
という関係式(オイラー積)という見事な繋がりで、あの捉え所がない素数と深い関係が成立
していることを教えてくれる。
つまり、自然数は素数にコントロールされており、いわば素数の材料での料理が自然数と
みなされる。
素数にもいろいろなタイプのものに分類され、材料の素数の選び方によって出来上がる料
理の自然数の性質も自ずと異なってくる。
この見方を逆に辿れば、素数も自然数全体によってコントロールされていることにもなり、
前から素数の逆数和が、自然数全体とどの様に関係しているか、きっと何かしら関係を持
つはずだと気になっていた。
このことに関して、次の関係式が存在することに、このほど知るところとなったので報告し
てみます。
Σ[p:素数全体]1/p^s
=Σ[k=1,∞]μ(k)/k*log(ζ(s*k))
=1/1*log(ζ(s))-1/2*log(ζ(2s))-1/3*log(ζ(3s))-1/5*log(ζ(5s))+1/6*log(ζ(6s))
-1/7*log(ζ(7s))+1/10*log(ζ(10s))-1/11*log(ζ(11s))-1/13*log(ζ(13s))
+1/14*log(ζ(14s))+1/15*log(ζ(15s))-1/17*log(ζ(17s))-1/19*log(ζ(19s))+・・・
ここに、ζ(s):リーマンゼータ関数で、
μ(k):メビウスミュー関数< (k が平方因子を持つ(平方数で割り切れる)とき)μ(k) = 0
k が相異なる偶数個の素数の積ならば μ(k) = 1
k
が相異なる奇数個の素数の積ならば μ(k) = -1>
この関係式が、どのようにして導けるのかは書いてありませんでしたが、計算で確認して
みました。
素数を1〜1000000までに含まれる全てのもので計算してみると、
1/2^2+1/3^2+1/5^2+1/7^2+・・・=0.07699313976424684491903234848・・・
一方、 Σ[k=1,40]μ(k)/k*log(ζ(2*k))=0.07699313976424684494261929586・・・
1/2^3+1/3^3+1/5^3+1/7^3+・・・=0.1747626392994085572606552274・・・
一方、 Σ[k=1,30]μ(k)/k*log(ζ(3*k))=0.1747626392994435364231133147・・・
1/2^4+1/3^4+1/5^4+1/7^4+・・・=0.07699313976424684491903234848・・・
一方、 Σ[k=1,20]μ(k)/k*log(ζ(4*k))=0.07699313976424684494261929586・・・
と、殆ど一致させてくれます。
(私の計算機ではζ(90)位までしか有効数字がとれませんので・・・)
長年探していた関係式に出会えて嬉しいです。まさに素数と自然数は葛折りよろしく見事
に縦糸横糸が絡み合った美しいタペストリーの様です。