・ 虚数の虚数乗? S.H氏
複素数における虚数単位を i として、 ii は、一体どういう数なのだろう?
オイラーの公式
eiθ=cosθ+i・sinθ
を用いれば、数学における5つの中心的な数が結びつく。すなわち、
eiπ+1=0
同様にして、
i=ei(π/2)
が得られる。
この式に対して形式的に、 ii=e−π/2 と計算してみる。
(この式と同値な式を最初に示した人は、イタリアのファニャーノ(1719年)である。)
この式を見ると、
ii は実数
であることが分かる。
関数論を勉強すれば分かるように、実は、 ii は、無限に多くの値をとりうる。
(このことを最初に観察したのは、オイラーである。)
実際に、
ii=e−π/2+2nπ (但し、n は、整数)
上で形式的に得られた値は、n=0 の場合で、主値といわれる。
1921年、ウーラーは、この主値の値を小数点以下50位以上計算した。
ii=0.20787 95763 50761 90854 69556 19834 ・・・・・
計算機もない時代に、一体どうやって計算したのだろう?
(参考文献:ポール・J・ナーイン 著 好田順治 訳 虚数の話(青土社))