・ラマヌジャン予想                         GAI 氏

 1916年、ラマヌジャンは、次の予想を立てた。

 Δ=x・Πn=1〜∞ (1−xn)24 を、xのベキ級数で、 Σn=1〜∞ τ(n)・xn と展開した

ときの係数τ(n)に関して、 pが素数ならば、|τ(p)|<2・p11/2 が成り立つ。


 この予想でのpの指数が「11/2」とあまりにも不思議な数値だし、以外に大きいと感じたの
で、「A000594」に載っている、n=1〜16090 までのτ(n)の数表を利用して、どのあたりの
pが最も近づくのだろうと思い、pに限らず全てのnについて、2・n11/2−|τ(n)|の値を調
べてみました。

 その結果、その殆どのnに対しては思った以上に圧倒的に大差での不等式関係であり、ち
なみに、n=97では(素数でもある)、τ(97)=75013568546 で
 2・9711/2−|τ(97)|=94137417627.66

即ち、ベキ指数を「11/2」まで大きくとる必要は全く感じられない。私でも、|τ(p)|<10・p6
位すぐにでも予想を立てられそうです。さらに、中にはポツンと計算結果がマイナス、即ち、
|τ(n)|>2・n11/2 になってしまうものが現れ、

n=799(=17*47)、1751(=17*103)、2987(=29*103)、3149(=47*67)、3713(=47*79)
  4841(=47*103)、5321(=17*313)、6157(=47*131)、6283(=61*103)
  6901(=67*103)、7003(=47*149)、7849(=47*167)、8143(=17*479)
  8137(=79*103)、8777(=67*131)、8789(=11*17*47)、9071(=47*193)
  9077(=29*313)、10523(=17*619)、10609(=103^2)、10727(=17*631)
  10763(=47*229)、10951(=47*233)、11189(=47*167)、12079(=47*257)
  12223(=17*719)、12361(=47*263)、12875(=5^3*103)、12931(=67*193)
  13193(=79*167)、13493(=103*131)、13891(=29*479)、14008(=2^3*17*103)
  14711(=47*313)、14899(=47*317)、14909(=17*877)、15247(=79*193)
  15347(=103*149)、15611(=67*233)、15839(=47*337)、15929(=17*937)

の41個は16090個の中で稀な例外でした。
(素数17、47、103 を含むものが多いことが不思議でした。)

 まあ、しかし、これらは皆合成数だし、ラマヌジャンが主張する素数pに限れば成立はして
います。

 しかし、合点がいかないのがあの指数「11/2」の大きさです。素数は無限個存在するので
このオーダーまで広げないといけないのかとも思いますが、計算結果を見る限り、その大小
の差はますます広がる様子なのです。そこで、

  予想にあるpの指数がなぜ11/2なのか?

  最も接近する素数pは一体どれ位の大きさなのか?
  (具体的な数値が判明すればこれが知りたい。)

 なお、この予想は佐藤-テイト予想として、|τ(p)|の分布状況に対する予想などに発展
することを通して、1974年ドリーニュによって完全解決に到ったとある。
(これによりドリーニュはフィールズ受賞を受ける。)

 こんな大家が苦心して証明しているんだから、思いもよらない深みや秘密があるんだと思
うが、その凄さを少しでも感じてみたいので、このあたりの事情に詳しい方の解説をお願い
したい。

 なるだけ参考サイトの紹介だけにしないで下さい。私は難しい論文を読んでも理解できな
いんです。


(追記) 平成26年11月28日付け

 素数pに対してp11/2 もτ(p)もすごく大きな値になるので、|τ(p)|<2・p11/2 のチェックを
2・p11/2-|τ(p)| で行っていると判断しにくい。そこで、2数の比 |τ(p)|/(2・p11/2) に変えて
調査してみました。
(下に行くほど調査に時間が必要になった。一応prime(20000):20000番目の素数<224737>
までで調査しました。)

 この値が1に最も近く接近する素数pをまず段階別に探し出すと、次の候補が取れました。

7589 、16033 、18047 、32233 、39089 、58189 、64849 、74471 、82811 、96233
119809 、135449 、185161 、201107 、213641

 この素数に対する|τ(p)|/(2・p11/2)の値が、0.9802666258、0.9848162267、・・・ と比では
限りなく1に近いようですが、いざ2つの差 2・p11/2-|τ(p)| を計算してみると、2数の実際の
開きは想像以上でした。(それだけ2数が絶対的に巨大な数でもある。)統計で勘違いし易
かったり、家を購入するとき100万、200万が端金に感じたりするあの感覚。

 ですから、このラマヌジャン予想 |τ(p)|<2・p11/2 の意味としては、あらゆる素数pに対し
て、|τ(p)|/(2・p11/2)<1 と表現(勿論同じことなんですが・・・)してもらった方が実態を掴み
やすいと思った。

 ソフトを使って素数pに対するこの比の値のグラフを見てみると確かに相当な素数pに対し
て、0〜1.0の幅を鋸の歯の様な形状で揺れ動く様を見ることができました。逆に、その不規
則さが素数というもののとらえ難さを見せつけられた思いです。数字の原子である素数とい
う代物はほんとに不思議な、でも魅力的な素材ですね。


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