・薬師算 S.H氏
徒然なるままに、読売新聞のサイトを眺めていたら、「薬師算」なるものの紹介があった。
初めて聞く名前で興味を持った。次のような問題である。
たくさんの碁石の中からいくつかを使って正方形の辺上に隙間なく並べる。この並べら
れた碁石の総数を正方形の1辺にある碁石の総数で割り算すると5余るという。使った
碁石の数は全部で何個だろうか?
算数レベルの問題だが、余りの碁石の数から全体の碁石の数を想像するという壮大な問
題ですね!
例えば、正方形の1辺に碁石が5個あるように並べたとき、使った碁石の総数は16個で
あり、16÷5=3・・・1 から、碁石の総数を正方形の1辺にある碁石の総数で割り算する
と余りは、1となる。
いくつかの場合について、実際に計算してみると、その規則性が見えてくる。
全体の碁石の数が16(=4×4)のとき、余りは、1で、
16=3×5+1=3×4+3×1+1=3×4+4×1
全体の碁石の数が20(=4×5)のとき、余りは、2で、
20=3×6+2=3×4+3×2+2=3×4+4×2
全体の碁石の数が24(=4×6)のとき、余りは、3で、
24=3×7+3=3×4+3×3+3=3×4+4×3
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と考えられるので、冒頭の問題の碁石の総数は、 3×4+4×5=32(個)の予感...。
公式を類推すれば、 (碁石の総数)=12+4×(余りの碁石の数) となる。
公式が類推で終わってはしょうがないので、証明してみました。
両端の碁石で2列できる。残りの2辺のうち、1つの辺から2つの碁石を残りの辺に補充し
て正方形の1辺の碁石の数に揃える。2つの碁石を取り去った辺に残っている碁石の数が
ちょうど余りの碁石の数になる。
したがって、正方形の1辺にある碁石の数をnとすると、nー4=(余りの碁石の数)が成り立
つ。n=4+(余りの碁石の数)を代入して、碁石の総数は、
(4+(余りの碁石の数)−1)×4=12+4×(余りの碁石の数)
(コメント) 12を足すのが面白いですね!この「12」は、薬師如来が12個の願いをしたこと
に引っかけて、これが薬師算の由来とか...。