・階乗数の表現                          GAI 氏

 一般に、各nに対して、(1-x)(1-x2)(1-x3)・・・(1-xn)/(1-x)n を展開してその係数を取ることで、
次のように階乗の値が左右対称の数の和で表すことができることに興味がわいた。

2! =[1,1]=1+1=2

 実際に、(1-x)(1-x2)/(1-x)2=1+x の係数は、[1,1] で、1+1=2=2!

3! = [1, 2, 2, 1]=1+2+2+1=6

 実際に、(1-x)(1-x2)(1-x3)/(1-x)3=(1+x)(1+x+x2) =1+2x+2x2+x3 の係数は、 [1, 2, 2, 1] で、
      1+2+2+1=6=3!

4! = [1, 3, 5, 6, 5, 3, 1]=1+3+5+6+5+3+1=24

5! = [1, 4, 9, 15, 20, 22, 20, 15, 9, 4, 1] 以下同様

6! = [1, 5, 14, 29, 49, 71, 90, 101, 101, 90, 71, 49, 29, 14, 5, 1]

7! = [1, 6, 20, 49, 98, 169, 259, 359, 455, 531, 573, 573, 531, 455, 359, 259, 169, 98, 49, 20, 6, 1]

8! = [1, 7, 27, 76, 174, 343, 602, 961, 1415, 1940, 2493, 3017, 3450, 3736, 3836, 3736,
                    3450, 3017, 2493, 1940, 1415, 961, 602, 343, 174, 76, 27, 7, 1]

9! = [1, 8, 35, 111, 285, 628, 1230, 2191, 3606, 5545, 8031, 11021, 14395, 17957, 21450,
   24584, 27073, 28675, 29228, 28675, 27073, 24584, 21450, 17957, 14395, 11021, 8031,
   5545, 3606, 2191, 1230, 628, 285, 111, 35, 8, 1]

10! = [1, 9, 44, 155, 440, 1068, 2298, 4489, 8095, 13640, 21670, 32683, 47043, 64889, 86054,
    110010, 135853, 162337, 187959, 211089, 230131, 243694, 250749, 250749, 243694,
    230131, 211089, 187959, 162337, 135853, 110010, 86054, 64889, 47043, 32683, 21670,
    13640, 8095, 4489, 2298, 1068, 440, 155, 44, 9, 1]

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 DD++さんからのコメントです。(平成26年8月11日付け)

 (1-x)(1-x2)(1-x3)・・・(1-xn)/(1-x)n=(1)(1+x)(1+x+x2)…(1+x+x2+……+xn-1)

であるわけで、展開したときの係数の総和、即ち、x=1 を代入したときの値が n! になるのは
当たり前なように思います。


 DCOさんからのコメントです。(平成26年8月11日付け)

 右側の群数列めいたものを、パスカルの三角形のように漸化的に定義できる点が面白そう
ですね。(数列の作り方を見れば明らかではありますが...。)

 たとえば、4!の[1,3,5,6,5,3,1]を、3!の[1,2,2,1]だけを見て作ろうとすると、

 1=0+0+0+1
 3=0+0+1+2
 5=0+1+2+2
 6=1+2+2+1
 5=2+2+1+0
 3=2+1+0+0
 1=1+0+0+0

という風に作ることができますね。


 GAI さんからのコメントです。(平成26年8月12日付け)

 私もDCOさんのようにこの変化が起きているのに着目したんですが、3!-->4! はこの規則で
うまくいきますが、4!-->5!での22、5!-->6!での90,101、6!-->7!での259,359に悩むことになりま
した。これらの数は暗記せずに導き出すためにはどんな方法があるのでしょうか?


 DD++さんからのコメントです。(平成26年8月12日付け)

 同じ法則で全部出てきますよ。

 5!の[1, 4, 9, 15, 20, 22, 20, 15, 9, 4, 1] を、4!の[1,3,5,6,5,3,1]だけを見て作ると、

 0+0+0+0+1=1
 0+0+0+1+3=4
 0+0+1+3+5=9
 0+1+3+5+6=15
 1+3+5+6+5=20
 3+5+6+5+3=22
 5+6+5+3+1=20
 6+5+3+1+0=15
 5+3+1+0+0=9
 3+1+0+0+0=4
 1+0+0+0+0=1

 「22」のところで計算ミスしてそれを引きずったことはないですか?


 DCOさんからのコメントです。(平成26年8月12日付け)

 DD++さんがおっしゃった (1)(1+x)(1+x+x2)…(1+x+x2+……+xn-1) という式を用いれば分
かりやすいかと思います。たとえば、4!->5!の場合

 4!=(1)(1+x)(1+x+x2)(1+x+x2+x3)=(1+3x+5x2+6x3+5x4+3x5+x6)

 5!=(1)(1+x)(1+x+x2)(1+x+x2+x3)(1+x+x2+x3+x4)
   =(1+3x+5x2+6x3+5x4+3x5+x6)(1+x+x2+x3+x4)

ですから、5!のxkの係数を出すためには、ちょうど筆算をするように、1+3x+…のxk-4からxk
での5つの係数を足し合わせればよいのです。

  0  0  0  0  1  3  5  6  5  3  1
  0  0  0  1  3  5  6  5  3  1  0
  0  0  1  3  5  6  5  3  1  0  0
  0  1  3  5  6  5  3  1  0  0  0
  1  3  5  6  5  3  1  0  0  0  0

  1  4  9 15 20 22 20 15  9  4  1



(コメント) なるほど、分かりやすい説明ですね!


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