・朝の散歩                          GAI 氏

 真っ直ぐな散歩道(現実的には無理かな)があり、あるところで東京スカイツリーを見たら
30°の角度にてっぺんが見えていた。そこから、1000m進んでまた見たら40°に見えるよ
うになった。

 では、今度は20°に見えるようになるにはそこからさらに何メートル散歩すればよいか?


 らすかるさんからのコメントです。(平成26年6月3日付け)

 「真っ直ぐな散歩道」は、厳密には大円上の道ですが、そう考えると計算が非常に面倒に
なりますので、「真っ直ぐな散歩道」は「東京スカイツリーに垂直な平面上の直線」と考える
ことにします。

 「数学的な真っ直ぐ」ならば「東京スカイツリーに垂直でない平面上の直線」の可能性も考
えられますが、これも計算が面倒なのでやめます。(以下単位mは省略)

 h=(東京スカイツリーの高さ)-(観察者の目の高さ) (631<h≦634) とすると、仰角がθに
なるのは東京スカイツリーからh/tanθの地点です。

 h/tan30°-h/tan40°≦1000 を解くと、 h≦1850.8331…

 h/tan30°+h/tan40°≧1000 を解くと、 h≧342.0201…

であり、342.0201…<1000<1850.8331…ですから、解は存在します。

 つまり、東京スカイツリーの高さが1900mぐらいあったとしたら、仰角30°の地点から東京
スカイツリーの方向にまっすぐ1000m進んでも仰角40°に満たず、340mしかない場合はどっ
ちに進んでも仰角40°の地点を通り過ぎてしまうという意味です。

 三辺が、a=h/tan30°、b=h/tan40°、1000 である三角形で、a の辺と1000の辺に挟ま
れる角の角度θを余弦定理で求めると、 θ=arccos((a^2+1000^2-b^2)/(2000a))

 これが、仰角30°の地点から進む方向(東京スカイツリーに向かう直線となす角度)です。

 よって、仰角30°の地点から仰角20°の地点までの距離dは、c=h/tan20°として余弦定
理により、 d=acosθ+√((acosθ)^2-(a^2-c^2)) ですから、求める距離は、

  d-1000=acosθ+√((acosθ)^2-(a^2-c^2))-1000

(ただしa=h/tan30°、b=h/tan40°、c=h/tan20°、cosθ=(a^2+1000^2-b^2)/(2000a))

となります。具体値は、

h=632 ならば、約1390.9m 、h=632.5 ならば、約1392.6m 、h=633 ならば、約1394.2m
h=634 ならば、約1397.6m


 GAI さんからのコメントです。(平成26年6月3日付け)

 まさしく地球上を歩くのですから、直線とは大円であり、人が(身長170cm位)見てるわけ
ですから、東京スカイツリーの高さを634mと一律に設定することはできないわけですよね。
(こんな微妙な条件は考えもしませんでした。)

 問題文を作成するときは、見上げる3つの角度と散歩の長さを富士山でも良かったのです
が話題性を考えて東京スカイツリー(武蔵で暗記していたのを利用した。)に合わせてなる
だけ整数が当てはまるようにと微調整を繰り返して作りました。
(なかなか整数値が見つけられなかった。)

 ですから、こちらが準備していた解答は1400mでした。完璧に解答を短時間で作成される
ので問題作成の意欲が湧きます。


 らすかるさんからのコメントです。(平成26年6月3日付け)

 余談になりますが、東京スカイツリーに関しては、以前、「現在私がいる場所のアンテナを
東京スカイツリーの方向に向けたら受信できるか」というのが知りたくて、ちょっと計算したこ
とがあります。

 国土地理院の地図から間の山の標高を調べて東京スカイツリーまでの直線の間で山にぶ
つかるかどうかを調べると、地球の丸みを考えなければ、かろうじて山にぶつからないので
すが、大円できちんと考えると山にぶつかり、それも微妙ではなく頂上の数百メートルも下
を通ることになるということで、大円はとても無視できないなと思いました。もっとも、数kmの
範囲なら無視して良いと思いますが...。

 で、アンテナの方は実際見通しでなくても受信できる可能性はありますので、受信できる
かどうかはいまだにわかっていません。

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