・異なる平方和の探し方                   GAI 氏

 まずは、調査。

2=1^2+1^2=2 、5=1^2+2^2 、8=2^2+2^2=2^3 、10=1^2+3^2=2*5 、13=2^2+3^2 、17=1^2+4^2
18=3^2+3^2=2*3^2 、20=2^2+4^2=2^2*5 、25=3^2+4^2=5^2 、26=1^2+5^2=2*13 、29=2^2+5^2
32=4^2+4^2=2^5 、34=3^2+5^2=2*17 、37=1^2+6^2 、40=2^2+6^2=2^2*5 、41=4^2+5^2
45=3^2+6^2=3^2*5 、50=1^2+7^2=2*5^2 、50=5^2+5^2 、52=4^2+6^2=2^2*13 、53=2^2+7^2
58=3^2+7^2=2*29 、61=5^2+6^2 、65=1^2+8^2=5*13 、65=4^2+7^2 、68=2^2+8^2=2^2*17
72=6^2+6^2=2^3*3^2 、73=3^2+8^2 、74=5^2+7^2=2*37 、80=4^2+8^2=2^4*5
82=1^2+9^2=2*41 、85=2^2+9^2=5*17 、85=6^2+7^2 、89=5^2+8^2 、90=3^2+9^2=2*3^2*5
97=4^2+9^2 、98=7^2+7^2=2*7^2 、100=6^2+8^2=2^2*5^2 、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

の様に、一般に、自然数N が2つの平方数の和で表せるパターンは

 Nが4k+1型の素数かN=2^r*(4k+1型の素数)^s かN=2^(奇数)*3^(偶数)
         (偶数は0乗を含む。またもっと多くを調べると3以外でも4k+3型の素数でも偶数冪なら可能.)

 ここで、異なる数字で2通り構成できているものが、

  65=1^2+8^2=4^2+7^2 と 85=2^2+9^2=6^2+7^2

であることを研究してみると、65=5*13 、85=5*17 で、

 5=(2+i)*(2-i)=>(2+i)^s*(2-i)^(1-s)     (s=0,1)
13=(3+2i)*(3-2i)=>(3+2i)^t*(3-2i)^(1-t)  (t=0,1)
17=(4+i)*(4-i)=>(4+i)^u*(4-i)^(1-u)  (u=0,1)

 65=5*13=>(2+i)^s*(2-i)^(1-s)*(3+2i)^t*(3-2i)^(1-t)      (s,t=0,1)

s,tの組合せから、

{s,t}=(0,0)→65=>(2-i)*(3-2i)=4-7i 、{s,t}=(1,0)→65=>(2+i)*(3-2i)=8-i
{s,t}=(0,1)→65=>(2-i)*(3+2i)=8+i 、{s,t}=(1,1)→65=>(2+i)*(3+2i)=4+7i

 85=5*17=(2+i)^s*(2-i)^(1-s)*(4+i)^u*(4-i)^(1-u)     (s,u=0,1)

s,uの組合せから、

{s,u}=(0,0)→85=>(2-i)*(4-i)=7-6i 、{s,u}=(1,0)→85=>(2+i)*(4-i)=9+2i
{s,u}=(0,1)→85=>(2-i)*(4+i)=9-2i 、{s,u}=(1,1)→85=>(2+i)*(4+i)=7+6i

となり2通りの和の形が得られる。

これを、359125=5^3*13^2*17 に応用すると、

359125=>(2+i)^r*(2-i)^(3-i)*(3+2i)^s*(3-2i)^(2-s)*(4+i)^t*(4-i)^(1-t)
                                     (r=0,1,2,3)、(s=0,1,2)、(t=0,1)
r,s,t の組合せから、4*3*2=24通りとれて、

(r,s,t)=(0,0,0)→ -567 - 194i 、(r,s,t)=(0,0,1)→ -409 - 438i 、(r,s,t)=(0,1,0)→ -39 - 598i
(r,s,t)=(0,1,1)→ 247 - 546i 、(r,s,t)=(0,2,0)→ 537 - 266i 、(r,s,t)=(0,2,1)→ 599 + 18i
(r,s,t)=(1,0,0)→ -185 - 570i 、(r,s,t)=(1,0,1)→ 105 - 590i 、(r,s,t)=(1,1,0)→ 455 - 390i
(r,s,t)=(1,1,1)→ 585 - 130i 、(r,s,t)=(1,2,0)→ 535 + 270i 、(r,s,t)=(1,2,1)→ 345 + 490i
(r,s,t)=(2,0,0)→ 345 - 490i 、(r,s,t)=(2,0,1)→ 535 - 270i 、(r,s,t)=(2,1,0)→ 585 + 130i
(r,s,t)=(2,1,1)→ 455 + 390i 、(r,s,t)=(2,2,0)→ 105 + 590i 、(r,s,t)=(2,2,1)→ -185 + 570i
(r,s,t)=(3,0,0)→ 599 - 18i 、(r,s,t)=(3,0,1)→ 537 + 266i 、(r,s,t)=(3,1,0)→ 247 + 546i
(r,s,t)=(3,1,1)→ -39 + 598i 、(r,s,t)=(3,2,0)→ -409 + 438i 、(r,s,t)=(3,2,1)→ -567 + 194i

この結果を受けて、

359125=18^2+599^2=39^2+598^2=105^2+590^2=130^2+585^2=185^2+570^2=194^2+567^2
    =247^2+546^2=266^2+537^2=270^2+535^2=345^2+490^2=390^2+455^2=409^2+438^2

の12通りが存在する。

 次に、Nに2の冪や4k+3型の素数が偶数冪含まれている場合は次の手を打つ。

N = 2^tΠp^mΠq^(2n) (pは、p= u^2+v^2で表せる4k+1型の素数、qは、4k+3型の素数)では、

A + iB = e*(1 + i)^t Π(u + iv)^r*(u - iv)^(m-r )Πq^n (ここで e = {± i, ± 1},  0≦r≦mとする)
なる複素数を用いる。

N = A^2 + B^2で表せるものを探す手順

例: N = 1521000 = 8×3^2×5^3×13^2 において、

A + iB = e*(1 + i)^t*(2 + i)^r*(2-i)^(3-r)*(3 + 2i)^s*(3 - 2i)^(2-s)
     (∵2=(1+i)(1-i) or (-1+i)(-1-i))

 ここで、e = -i を選ぶと、e*(1 + i)^3 = 2(1 + i) となり、r = {0,1,2,3}、s = {0,1,2} の組合せから
4*3=12通り可能であるが、本質的に異なるタイプは、その半分の6通りとなる。

 r = 0, s = 0 と r = 3, s = 2 からは、-258-1206i と -1206-258i の結果的に同じものが出現す
ることから、r = {0, 1} s = {0, 1, 2}. の2*3=6通りを調べる。

r = 0, s = 0 : 6(1 + i)(2 - i)^3(3 - 2i)^2 = -258-1206i               -> N = 1206^2 + 258^2
r = 0, s = 1 : 6(1 + i)(2 - i)^3(3 + 2i)(3-2i) = 1014-702i           -> N = 1014^2 + 702^2
r = 0, s = 2 : 6(1 + i)(2 - i)^3(3 + 2i)^2 = 1038+666i                -> N = 1038^2 + 666^2
r = 1, s = 0 : 6(1 + i)(2 + i)(2 - i)^2(3 - 2i)^2 = 810-930i          -> N = 930^2 + 810^2
r = 1, s = 1 : 6(1 + i)(2 + i)(2 - i)^2(3 + 2i)(3-2i) = 1170+390i    -> N = 1170^2 + 390^2
r = 1, s = 2 : 6(1 + i)(2 + i)(2 - i)^2(3 + 2i)^2 = 90+1230i          -> N = 1230^2 + 90^2

で見つけられる。


 DD++さんからのコメントです。(平成26年5月31日付け)

 0 も平方数に含めるという前提で考える。

 4N+1型素数を平方和で表す方法は、順序の違いを無視すれば1通り

 4N+3型素数の偶数乗を平方和で表す方法も、順序の違いを無視すれば1通り
                                             (自明なもののみ

 2の累乗を平方和で表す方法も、順序の違いを無視すれば1通り(自明なものか半分)

ということで、わざわざ虚数を持ち出さずとも、Nをこれらのものに分解し、二平方恒等式

 (a2+b2)(c2+d2)=(ac+bd)2+(ad-bc)2=(ad+bc)2+(ac-bd)2

を用いて、順次合成していけばよいだけの話な気がするのですが、ガウス整数を用いると何
か差異はあるのでしょうか?

例 N=5850=2×3^2×5^2×13 の場合

 5850=2×9×5×5×13 において、

  2=1^2+1^2 、9=3^2+0^2 、5=2^2+1^2 、5=2^2+1^2 、13=3^2+2^2

と表しておいて、

  2×9=3^2+3^2
  2×9×5=9^2+3^2
  2×9×5×5=21^2+3^2=15^2+15^2
  2×9×5×5×13=69^2+33^2=57^2+51^2=75^2+15^2

 N=1521000の場合も、8×9×5×5×5×13×13を合成していけば、多分全部出てきます。


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