・2次関数を求める S.H氏
「x=2で最大値5をとり、x=1でy=2となる2次関数を求めよ。」と問われれば、多分誰も
が次のような解を示すだろう。
題意より、求める2次関数は、 y=a(x−2)2+5 とおける。x=1でy=2となるので、
a(1−2)2+5=2 より、a+5=2 すなわち、 a=−3
よって、求める2次関数は、 y=−3(x−2)2+5
上記の解に対して、実は、次のような解もありえることを何人の方が気づいているだろうか。
例えば、 y=x2+1 (0≦x≦2) 、y=−x2+6x−3 (0≦x≦2) 、・・・
冒頭の問題を解く際に、実は暗黙の了解があったのだ。
2次関数と言えば、定義域は全実数と考える。
この暗黙の了解を知らないと、解が無数に出てきて、収拾がつかないことになってしまうだ
ろう。
冒頭の問題に対して、制限付きの関数を答えることは非常に稀な場合と思うが、全くない
わけではないことを肝に銘ずるべきだろう。「x=2で最大値5をとり」を誤解がないように、
「頂点の座標が(2,5)で」などと表現に工夫が必要だ。