・置き換えの効用                    よおすけ氏

以下では、よおすけさんの投稿の趣旨を活かし、一部文言等を修正させていただきました。ご了承ください。

 教科書では、方程式 (x+1)2+5(x+1)+6=0 について、x+1=A と置くことが推奨されて
いる。もちろん、因数分解の場合もそうである。これって、必要なんだろうか?

 置き換えて、 A2+5A+6=0 を解くと、A=-2 または A=-3 より、x+1=-2、-3
すなわち、x=-3、-4

を得るのと、直接展開して、

 x2+7x+12=0 から、x=-3、-4

とするのでは、明らかに「置き換え」がいかにも遠回りしているように感じられる。教科書では、
どうも「置き換えの効用」を強調したいようなのだが、例があまりにも陳腐すぎて「置き換え」
にどうしても違和感を覚えてしまう。

 「置き換えの効用」を強調したいのであれば、次のような問題ぐらいが妥当なところだろう。

 方程式 8(x3+2)2-13(x3+2)-33=0 を解け。

 上式を見て、展開を試みる人はまずいないだろう。当然、「置き換え」:x3+2=A の一手
である。この問題を通して、「置き換えの効用」が実感できるのではないだろうか?

 実際に解いてみると、 8A2-13A-33=0 から、(A-3)(8A+11)=0 よって、A=3、-11/8
 このとき、x3=1、-27/8 から、求める解は、ωを1の3乗根として、
  x=1、ω、ω2、-3/2、-3ω/2、-3ω2/2

 また、次の問題はどうでしょうか?

 2次方程式 x2+3(x-2)=4x を解け。

(解) 両辺に -4x を足して、 x2-4x+3(x-2)=0 より、 (x-2)2-4+3(x-2)=0

   ここで、x-2=A とおくと、 A2+3A-4=0 より、A=1、-4

  すなわち、x-2=1、-4 から、x=3、-2  (終)


 もちろん、このくらいなら、以下の方が速いでしょう。

(別解) x2+3(x-2)=4x を整理して、 x2-x-6=0 よって、x=-2、3  (終)


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