・現代化カリキュラムの弊害              よおすけ氏

 現代化カリキュラムとは、1970年代に日本で実施された学習指導要領の「俗称」です。この
頃は、というと、授業の進行が速過ぎる、学習内容が過密で高度化した、という印象が強い
でしょう。僕も高校生の時まではそう思っていましたが、後になって、決してそうとは言えない、
というのに気づかされました。ここでは、数学について話します。

 中学では集合や逆関数が高校から前倒しになった一方、中学3年で学習だった「三角比」
が高校数学Tに先送りされた。(→比例部分の法則も削除?)中学から分数式が削除され
た。方程式で「根」という用語がなくなり「解」一本になった(中学・高校共通)。多項式の計算
の扱いが軽くなった。分数方程式・無理方程式・高次不等式が高校数学Tからなくなった。
コンピュータが新規追加により、指数・対数から計算尺がなくなった。数列で、等差数列・等
比数列と無限数列が分断され、無限数列は高校数学UB→Vへ先送りされた。三角関数の
応用で、正弦定理・余弦定理が高校数学Tに戻った一方、加法定理がUB、合成公式・和
積公式がVと分断となった。定積分の定義が変更された。複素数は行列が新規追加により、
UBから複素平面が削除され、計算式および方程式の解までの扱いとなった。

 とりあえず一部だけ書きました。当時の教科書・参考書によっては、ばらつきがあるかと思
います。おそらく、「現代化カリキュラムの数学科の弊害」というのは、計算問題が大幅に削
られたこと、腰を落ち着けて学習できる単元が減ったということでしょうか・・・?


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