・導多項式の根の分布 zk43 氏
ある本を見ていたら、多項式の根の分布に関する「ガウスの定理」というのが載っていまし
た。インターネットを検索しても、それらしいものが見つからなかったのですが、(ガウスの定
理といっても、たくさんありすぎて・・・)有名なのでしょうか?
ガウスの定理 f(z)を複素係数の多項式とする。このとき、f’(z)の根は、f(z)の根の加重
平均となる。よって、f’(z)の根は、f(z)のすべての根の凸包に含まれる。
(証明) f(z)の相異なる根を α_1,・・・,α_k とし、
f(z)=(z-α_1)^(n_1)・・・(z-α_k)^(n_k) (n_1,・・・,n_k∈N)
とする。α_1,・・・,α_k がf’(z)の根である場合は定理は正しい。この場合、その根は
f(z)の重根である。f’(β)=0,β≠α_1,・・・,α_k とすると、f(β)≠0である。
f’(z)=n_1(z-α_1)^(n_1-1)・・・(z-α_k)^(n_k)+・・・+n_k(z-α_1)^(n_1)・・・(z-α_k)^(n_k-1)
だから、f’(β)/f(β)=n_1/(β-α_1)+・・・+n_k/(β-α_k)=0
共役をとると、 n_1/conjugate(β-α_1)+・・・+n_k/conjugate(β-α_k)=0
(n_1(β-α_1))/|β-α_1|2+・・・+(n_k(β-α_k))/|β-α_k|2=0
s_i=n_i/|β-α_i|2 (i=1,・・・,k)とおくと、s_i>0であり、s_1(β-α_1)+・・・+s_k(β-α_k)=0
β=(s_1・α_1+・・・+s_k・α_k)/(s_1+・・・+s_k)
さらに、f''(z),f'''(z),・・・を考えると、導多項式をとっていっても、その根の絶対値の最大値は
増加しないことがわかる。(複素関数論のコーシーの積分公式を連想させるような、させないような???)
なお、本では、f(z)が重根を持たないときの証明だったのですが、一般の場合の証明を、本
にならって考えました。自分としては初めて見たもので非常に面白いと思い、当サイトの備忘
録などにもないようなので、紹介してみました。
空舟さんからのコメントです。(平成25年6月18日付け)
いつだったか忘れましたが関連する興味深い内容として、
3次方程式f(z)=0の解をα,β,γとおいて、複素平面上にこの三点を頂点とする三角形を描
くと、f’(z)=0の2つの解を焦点としてこの三角形の三辺に内接する楕円が描ける
というような内容をS(H)さんが投稿していたと思います。
S(H)さんからのコメントです。(平成25年6月18日付け)
そのうちの(飯高先生が感激されたとの)一つを再掲します。