・最近面白かったこと2 S.H.氏
東京理科大学 理学部(平成25年度)の入試問題2番が面白そうに見えたので考えてみ
た。(平成25年2月15日付け)
正の整数mについて、
log10mが有理数ならば、log10mは整数であることを証明せよ。
何か当たり前のような事実であるが、いざ証明をと言われてしまうと、慣れていない人に
は手強い問題かもしれない。
(証明) log10m=q/p (p、qは互いに素な整数で、p>0) とおけるので、
10q/p=m すなわち、 mp=10q=2q・5q
mは2でも5でも割り切れるので、 m=2a5b (a、bは整数)とおける。
よって、 mp=2ap5bp=2q・5q より、 ap=q 、bp=q なので、
a=b=q/p=c (cは整数) とおける。
このとき、 m=10c より、 log10m=c は整数となる。 (証終)
同様に、
2つの正の整数m、nについて、
n√mが有理数ならば、n√mは整数であることを証明せよ。
(証明) n√m=q/p (p、qは互いに素な整数で、p>0) とおけるので、
m=qn/pn となるが、mは整数なので、pn=1 すなわち、p=1
このとき、 m=qn より、 n√m=q は整数となる。 (証終)
この事実の応用として、
問題 √1、√2、√3、・・・・、√2012、√2013 のうち無理数はいくつあるか?
は、とても基本的な問いである。この問いの解決に上記の事実が本質的な役割を果たす。
(解) √1、√2、√3、・・・・、√2012、√2013 において、
√1=1、√4=2、√9=3、・・・・、√1936=44、√2475=45
より、整数は44個ある。したがって、無理数は、2013−44=1969(個)