・ 上手い計算 S.H氏
逆関数の計算は、Y=F(X) の形の関数を、X=F(Y) とし、これを解いて、Y=G(X) の形にす
ればよい。逆関数のグラフは、もとの関数のグラフと直線 Y=X に関して対称、という優れた
性質を持っているので、グラフの洞察に有効である。しかしながら、現行の学習指導要領では、
逆関数の指導は数学Vにあり、数学Uにおける指数関数・対数関数の指導には生かせない。
私が高校生の頃、逆関数の話は高校1年であり、いろいろおもしろい問題にぶつかり、数学を
楽しませてもらった。この逆関数の計算は基本的な計算であり、国民的な素養とも考えられる
が、数学Vに項目設定されている以上、高校生の過半数は学習しない。これは憂慮されるべ
き事態である。
例 Y=2X の逆関数は、Y=(1/2)X
Y=log X の逆関数は、Y=ex
逆関数の計算は、置換積分においても活躍する。
次の関数の逆関数の計算は、みる人を唸らせるほど上手い計算であると私は思う。皆さんは
どうかな?
問題 関数 の逆関数を求めよ。
と変形し、 を得る。
この式を解いて、y を求める方法が少なくとも2つある。
(方法1) を考えるのが解法のポイントである。
なので、
すなわち、
(方法2) の両辺を平方して、
よって、 より、求められる。