・作問の難しさ                      S.H 氏

 何となく「特盛り!テストの花道」(NHK教育 10時〜11時 5月5日放送)を見ていたら、
次のような問題が出されていた。

 外国人に、「鯉のぼり」を50字以内で説明せよ。

 この問いかけに対して、「布地に鯉の模様を描いた・・・」という解答を聞いて司会者の方が
次のような疑問を呈していた。

 鯉一匹を描いたものなのか、それとも、たくさんの鯉が布地に描かれたものなのか?

 実は、このような誤解は、数学でも起こりうる。

 例えば、「1から3までの数字が1つずつ書かれた3枚のカードがある。」という表現に対し
て、多くの方は、
            

という理解をすると思うが、文面からだと次のような理解もできるから、事は厄介だ。

            

 もっとも後者のように理解されてしまうと、数学の問題にならないが...。

 このような2通りの解釈が可能なことが平成24年度開成中学入試問題で起こった模様。

 ツル、カメ、トンボの数をかぞえました。かりにツルの数をカメの数とし、カメの数を

トンボの数とし、トンボの数をツルの数とすると、足の本数の合計は200本になりま

す。一方、実際の足の本数の合計もやはり200本になります。実際のツルの数とし

て考えられるものをすべて答えなさい。

 ただし、ツル、カメ、トンボの数はすべて1以上とします。なお、ツル、カメ、トンボの

足の本数はそれぞれ2本、4本、6本です。



 さて、どのように2通りの解釈が可能か、分かりますか?


 空舟さんからのコメントです。(平成24年5月7日付け)

 一番下の問題文について、代入の向きが不明確であり、まとめて代入なのか、逐次代入
なのかも不明確であります。

 つまり、

・[A,B,C] --> [B,C,A]

・[A,B,C] <-- [B,C,A]

・A --> B, B --> C, C --> A (全部Aになる)

・A <-- B, B <-- C, C <-- A (A,B,CがB,C,Bになる)

の4つの解釈が考えられました。解釈が分かれないようにするには、例えば、

 「仮にツルの足が4本、カメの足が6本、トンボの足が2本だったとすると、」

とかいう問題文にすれば良かったと思います。想像すると気持ち悪いですが...。


(コメント) 空舟さん、正解です!開成高校の木部先生に伺ったところ、入試対応が大変だ
      ったそうです。


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