・500000                       S(H) 氏

 HPサイト「私的数学塾」が、平成24年1月23日〜24日未明頃、50万アクセスを達成し
た。

 「500000」に関連して、次の等式が成り立つ。

   1002+7002=500000

   2922+6442=500000

   3402+6202=500000

   5002+5002=500000


 FNさんからのコメントです。(平成24年1月26日付け)

 上記の等式は、方程式

    x2+y2=500000 (0<x≦y x、y は整数)

の解のすべてです。ルジャンドルの2平方和定理によれば、解は4個ですから、これですべて

です。プログラムを書いて調べても、この4個ですべてであるとわかります。

 しかし、できれば初等的な数学と手計算で、すべての解を求めたい所です。

 まず、4個の解を作ることから始めます。

 500000=56・25 を次の形にします。

 500000=2・5002=50・1002=1250・202=31250・42

 2、50、1250、31250 を、x2+y2 の形に表せたら、それぞれに、5002、1002、202

2 をかけて、x2+y2=500000 の解が得られます。

 2=12+12、50=12+72 については、ただちにわかります。

 2、50、1250、31250 は、公比25の等比数列です。25=32+42 と 2=12+12

出発点にして、次の式を使います。

  (a2+b2)(c2+d2)=(ac−bd)2+(ad+bc)2

 2=12+12 と 25=32+42 に上の式を使って、

  50=2・25=(12+12)(32+42)=(3−4)2+(4+3)2=12+72

(これは既に書いた式だから、本当は書かなくてもいいですが...。)

 50=12+72 と 25=42+32 に上の式を使って、

 1250=50・25=(12+72)(42+32)=(4−21)2+(3+28)2=172+312

 1250=172+312 と 25=32+42 に上の式を使って、

31250=1250・25=(172+312)(32+42)=(51−124)2+(68+93)2=732+1612

 2=12+12 の両辺に 5002 をかけて、 500000=5002+5002

50=12+72 の両辺に 1002 をかけて、 500000=1002+7002

1250=172+312 の両辺に 202 をかけて、 500000=3402+6202

31250=732+1612 の両辺に 42 をかけて、 500000=2922+6442

 これで、4個の解は得られました。これ以外にないことを示すことが残っていますが、4個
あること、4個しかないことを合わせて問題にしてみました。考えてみてください。

 Nを正の整数として、次の方程式を考える。

 (*)  x2+y2=N (0<x≦y x、y は整数)

 (**) x2+y2=N (0<x≦y x、y は互いに素な整数)

(1) Nが4の倍数であれば、(**)は解を持たないことを示せ。

(2) N=5e・2 (e は非負整数)のとき、(**)は解をもつことを示せ。

(3) N=5e・2 (eは非負整数)のとき、(**)の解はただ1つであることを示せ。

(4) N=500000 のとき、(*)の解をすべて求めよ。

 この問題に必要な場合だけにしたので、N=5e・2 (eは非負整数)にしましたが、N=5e
(eは正の整数)でも成り立ちます。


 空舟さんが、FNさんの問題(4)について考察されました。(平成24年1月27日付け)

 {a+b・i | a、bは整数、i は虚数単位} では、素元分解が同伴( i 倍等)を除いて一意、だと
知られています。(同伴: a+b・i に単数(=ノルムが1の数)を掛けた a・i-b、-a-b・i、b-a・i )

 その背景について、充分には理解できていませんが、この事実を前提として考えれば、

・ノルムが5の複素数は、1+2i、1-2i とその同伴のみである。

 [他にもあったら、 5=(1+2i)(1-2i) が一意であることに反する]

 同様に、

・ノルムが2の複素数は、1+i、1-i すなわち、1+i とその同伴のみである。

 以下同様に考えて、

・ノルムが10の複素数は、(1+i)(1+2i)、(1+i)(1-2i) とその同伴のみである。

・ノルムが25の複素数は、(1+2i)2、(1+2i)(1-2i)、(1-2i)2 と同伴のみである。

  ・・・・・・・・・・・・・

 ノルムが500000=25・56 の複素数は、

  (1+i)5、(1+2i)k(1-2i)6-k [k=0、1、・・・、6] とその同伴のみである。

 k≧2 と 4≦k では、共役の関係となるから、平方数の和として得られるのは4通りで、

k=0、1、2、3 として、 -644-292・i、620-340・i、-100+700・i、-500-500・i

から得られるものがすべてであるという風に理解できます。


 FNさんからのコメントです。(平成24年1月27日付け)

  (a2+b2)(c2+d2)=(ac−bd)2+(ad+bc)2

の式は、 (a+b・i)(c+d・i)=(ac-bd)+(ad+bc)・i の両辺の絶対値の2乗をとった式です。

 できるだけ初等的にということで、複素数を表に出さない形で書きましたが、25=32+42

と書いたり、25=42+32 と書いたり、やや不自然な形になりました。

  (a2+b2)(c2+d2)=(ac−bd)2+(ad+bc)2

は表面的な式という気がします。複素数を表に出して、適宜、絶対値の2乗をとる方がいい

でしょう。具体的な4個の解は、次のようにして得ることができます。

 α=1+i、β=3+4i とおく。それぞれの絶対値の2乗は、2、25 である。α・βk を考えると、

これの絶対値の2乗は、2・25k である。

 k=0、1、2、3 のとき、それぞれ 2、50、1250、32150である。

従って、α・βk を x+y・i と表したときの x、y を必要に応じて符号を変えたり、x、y を交換

したりすれば、

  x2+y2=N (N=2、50、1250、32150、0<x<y、x、y は整数)

の解が得られる。(2)はこれで終わり。

 具体的な解を求めるなら、 (1+i)(3+4i) を計算し、それに 3+4i をかけて、さらに、それに

3+4i をかければよい。

 (3)はなんとかなるだろうぐらいに思っていたのですが、意外に難しいかもしれません。ガ

ウス整数において、素因数分解の一意性が成り立つことを使えば出ますが、それを使って

も明らかというほどでもありません。それにそんな高級なことを使っては面白くありません。


(追記) 平成24年1月26日付け

 「800000」に関連して、次の等式が成り立つ。

   1602+8802=800000

   4002+8002=800000

   6082+6562=800000


(追記) 平成24年2月4日付け

 「私的数学塾」のアクセスカウンタもやがて「505000」に関連して、次の等式が成り立つ。

   302+7102=505000

   1702+6902=505000

   2782+6542=505000

   4022+5862=505000

   4502+5502=505000


(追記) 平成24年2月20日付け

  参考サイト:「Magma Calculator 」の紹介です。

 「Magma Calculator 」に次を挿入してください。

 // writing number as a sum of two squares

 b := 505000;
 for n in [b .. b + 100] do
     s, x, y := NormEquation(1,n);
     if s then
         printf "%o = %o^2 + %o^2\n", n, x, y;
     end if;
 end for;

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