・不思議な数66・・・6                   攻略法

 1+2+3+4+5+6=21

 1+2+3+4+5+6+・・・+64+65+66=66×67/2=2211

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

のように、

 1から「6がn個並んだ数」までの和は、

             「2がn個並んだ数」と「1がn個並んだ数」が並んだ数


となる。

6
66
666
6666
66666
666666
6666666
66666666
666666666
6666666666
66666666666
666666666666
6666666666666
66666666666666
666666666666666
  :
  :
  21
2211
222111
22221111
2222211111
222222111111
22222221111111
2222222211111111
222222222111111111
22222222221111111111
2222222222211111111111
222222222222111111111111
22222222222221111111111111
2222222222222211111111111111
222222222222222111111111111111

(証明) 1がn個並ぶ数 11…1 を f(n) とすると、f(n)=(10n-1)/9 と表せる。

 題意は、
        
となる。

 左辺=6f(n)(6f(n)+1)/2

    =f(n)(18f(n)+3)

    =f(n)(18・(10n-1)/9+3)

    =f(n)(2・(10n-1)+3)

    =2f(n)・10n+f(n)

    =右辺  (証終)


(コメント) 計算のカラクリは、例えば、

 1+2+・・・+666=666×667/2=3×667×111=2001×111=222111

ですね!


 同様の現象が、偶数の場合も起こる。すなわち、

 2+4+6=12

 2+4+6+・・・+64+66=2(1+2+3+・・・+33)=33×34=1122

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

のように、

 2から「6がn個並んだ数」までの偶数の和は、

             「1がn個並んだ数」と「2がn個並んだ数」が並んだ数


となる。

6
66
666
6666
66666
666666
6666666
66666666
666666666
6666666666
66666666666
666666666666
6666666666666
66666666666666
666666666666666
  :
  :
  12
1122
111222
11112222
1111122222
111111222222
11111112222222
1111111122222222
111111111222222222
11111111112222222222
1111111111122222222222
111111111111222222222222
11111111111112222222222222
1111111111111122222222222222
111111111111111222222222222222

(証明) 題意は、
            
となる。

 左辺=2・3f(n)(3f(n)+1)/2

    =f(n)(9f(n)+3)

    =f(n)(9・(10n-1)/9+3)

    =f(n)(10n−1+3)

    =f(n)・10n+2f(n)

    =右辺  (証終)

 また、

 2+4+6+8+10+12=42

 2+4+6+・・・+130+132=2(1+2+3+・・・+66)=66×67=4422

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

のように、

 2から「6がn個並んだ数の2倍」までの偶数の和は、

             「4がn個並んだ数」と「2がn個並んだ数」が並んだ数


となる。

6
66
666
6666
66666
666666
6666666
66666666
666666666
6666666666
66666666666
666666666666
6666666666666
66666666666666
666666666666666
  :
  :
  42
4422
444222
44442222
4444422222
444444222222
44444442222222
4444444422222222
444444444222222222
44444444442222222222
4444444444422222222222
444444444444222222222222
44444444444442222222222222
4444444444444422222222222222
444444444444444222222222222222

(証明) 題意は、
            
となる。

 左辺=2・6f(n)(6f(n)+1)/2

    =f(n)(36f(n)+6)

    =f(n)(36・(10n-1)/9+6)

    =f(n)(4・10n+2)

    =4f(n)・10n+2f(n)

    =右辺  (証終)


 FNさんが、p進法の問題に変えられました。(平成23年7月23日付け)

 1から「aがn個並んだ数」までの和が、「bがn個並んだ数」と「cがn個並んだ数」を

並べた数に等しくなるという。これがすべての自然数nに対して成り立つための必要

十分条件を、p、a、b、c の式で表せ。

 ただし、p、a、b、c は整数で、0<a、b、c<p とする。


 10進法(p=10)では、(p,a,b,c)=(10,6,2,1) 以外に解はありません。

 c=0 は認めてもいいのですが、一応除いています。

 c=0 を認めると、pが最小になる解は、(p,a,b,c)=(5,4,2,0)

 b=c は認めることにしています。このとき、pが最小になる解は、(p,a,b,c)=(9,4,1,1)

 c>0 、 b≠c とすると、pが最小になる解は、(p,a,b,c)=(10,6,2,1)


(コメント) 攻略法さんの手法を用いて、計算してみた。

 p進数で、1がn個並ぶ数 11…1 を f(n) とすると、

   f(n)=pn-1+pn-2+・・・+p+1=(pn-1)/(p-1) と表せる。

 このとき、

 1+2+3+・・・+(apn-1+apn-2+・・・+ap+a)

=(apn-1+apn-2+・・・+ap+a)(apn-1+apn-2+・・・+ap+a+1)/2

=af(n)(af(n)+1)/2

=af(n){a(pn-1)/(p-1)+1}/2

={a2/(2(p−1))}f(n)pn+{(−a2+ap−a)/(2(p−1)}f(n)

=bf(n)pn+cf(n)

となるためには、

  a2/(2(p−1))=b すなわち a2=2b(p−1) ・・・ (*)

 (−a2+ap−a)/(2(p−1)=c すなわち、 −a2+ap−a=2c(p−1) ・・・ (**)

 この(*)、(**)が求める必要十分条件かな?

 ここで、(*)、(**)を辺々加えて、両辺を p−1 で割ると、 a=2(b+c) が得られる。

 いま、p=10 とすると、(*)、(**)より、 a2=18b 、 −a2+9a=18c

0<a、b、c<10 より、 a=2(b+c)≧4 なので、

 a2=18b を満たす整数の組 ( a , b ) は、 ( a , b )=( 6 , 2 ) のみである。

 このとき、 c=1 となる。

 よって、 (p,a,b,c)=(10,6,2,1) 以外に解はない。


 FNさんからのコメントです。(平成23年7月24日付け)

 正解です。式はできるだけ簡単な方がいいから1つ目と3つ目の方がいいと思います。

即ち、 2=2b(p−1) 、 a=2(b+c)

 式変形の最後の2式の両辺を、f(n)で割って、□pn+□=□pn+□

ここで係数が等しいとするのは、pn が異なる2つの値を取れば成り立つので問題はないの

ですが、恒等式という言葉は使えないので、私は、n=1、2 で成り立つことから2式を出し、

それが十分条件であることを確認しました。必要条件でしぼって、それが十分条件であるこ

とを確認するという書き方はごく普通のことで、入試とかにおいて、そのことを明示して「これ

は必要条件。十分条件であることを確認する」のように書くのは採点者の心証を良くする効

果があると思います。よくわからないで真似をすると心証を大きく悪くしますが。

 a2=2b(p−1) 、a=2(b+c) 、0<a、b、c<p の整数解を求めておきます。

 第2式を第1式に代入して、2で割って、 2(b2+2bc+c2)=b(p−1)

 bで割って、 2b+4c+2c2/b=p−1 より、 p=2b+4c+1+2c2/b

 ここで、pが整数であることより、2c2はbで割り切れる。

 b、c が正の整数で、2c2がbで割り切れるとき、

     a=2(b+c) 、p=2b+4c+1+2c2/b

とすれば、これは、 a2=2b(p−1) 、a=2(b+c) 、0<a、b、c<p をみたす。

 従って、これが解である。

例 ( b , c )=( 2 , 1 ) のとき、 ( p , a )=( 10 , 6 )

 攻略法さんの2番目の式も一般化しておきます。(3番目は1番目を2倍したもの)

 p進法で考える。

 2から「aがn個並んだ数」までの偶数の和は、「bがn個並んだ数」と「cがn個並んだ

数」が並んだ数
に等しくなるという。これがすべての自然数nに対して成り立つための

必要十分条件を、p、a、b、c の式で表せ。

 ただし、p、a、b、c は整数で、0<a、b、c<p 、aは偶数とする。


 ほとんど同様にできます。

  a2=4b(p−1) 、a=2(b+c) になります。


 不思議な数「66・・・6」に関連して、ペンネーム「数々の和」さんから、次のような性質があ
ることをご教示いただいた。(平成23年7月24日付け)

 56 は 7の倍数で、 56=7×8
 6566 は 67の倍数で、 6566=67×98
 665666 は 667の倍数で、 665666=667×998
 66656666 は 6667の倍数で、 66656666=6667×9998
 6666566666 は 66667の倍数で、 6666566666=66667×99998
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(コメント) 例えば、

    6566=6700−134

        =67×100−67×2

        =67×98

 同様に、

    665666=667000−1334

          =667×1000−667×2

          =667×998

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 とても面白い性質ですね!134と67、1334と667、・・・ の関係が絶妙です...。


 FNさんが、上記と似たようなことが起きるかどうか調べられました。
                                      (平成23年7月25日付け)

 似たようなことをどのようにとるかが問題ですが、次のようにしました。

「同じ数をn-1個並べて最後が1大きい数」×「9をn-1個並べて最後が異なる数」

=「2n桁の数で1個を除いてすべて同じ数である数」


 p進法であれば、9は、p-1に変わります。上記の条件を満たすものをすべて求めるのは
難しそうです。いくらかを求めることにします。一応、p進法で考えますが、途中から10進法
にします。

 p進法で考える。

 1をn個並べた数をA、1を2n個並べた数をBとおく。すなわち、B=Apn+A

A=111・・・1=1+p+p2+・・・+pn-1=(pn−1)/(p−1) より、  A(p−1)=pn−1

同じ数をn-1個並べて、最後が1大きい数は、aA+1と書ける。

p-1をn-1個並べて、最後が異なる数は、pn−b+1と書ける。
(p-1がn-1個並び、最後がbだとすると、pn−p+bとなるので、最後の数を p-b+1にした)

このとき、

(aA+1)(pn−b+1)=aApn−abA+aA+pn−b+1

            =a(Apn+A)+pn−abA−b+1

 a(Apn+A)=aB であるから、pn−abA−b+1が pk・m の形でなければならない。

常識的に考えると、kは、nか0である。(論理的には甘いが多分正しい?)

k・m の形であることは必要条件であって十分条件ではない。

 pn−abA−b+1=pn−ab(pn−1)/(p−1)−b+1

ここで、k=0 とすると、ab/(p-1)=1 より、 ab=p-1 で、aB−b+2となる。

 これが条件を満たすためには、0≦a−b+2<pで、

   (a,b)=(1,p-1)は、p≦4のとき条件を満たす。

   (a,b)=(p-1,1)は、条件を満たさない。

 ここで、p=10とするとき、このどちらも解でない。

(a,b)=(3,3) のとき、 333・・・34×999・・・98=333333・・・32 である。

ここで、k=n とする。abは、p-1で割り切れなければならないので、ab=(p-1)cとおく。

これを代入すると、(1-c)pn+c−b+1となるから、c=b-1  、ab=(p-1)(b-1)

bとb-1は互いに素だから、bはp-1で割り切れる。bをp-1の約数として、p-1=bd とおく。

 このとき、 a=(b-1)d となる。

b=1のとき、a=0となるから不適。

p=10とする。b=3、9 んとき、それぞれ a=6、8 となる。

   666・・・67×999・・・98=666・・・65666・・・6

   888・・・89×999・・・92=888・・・81888・・・8

10進法では、次のものがあることが確認できた。多分これ以外はない。

    56=7×8         18=9×2         32=4×8
   6566=67×98       8188=89×92       3332=34×98
  665666=667×998     881888=889×992     333332=334×998
 66656666=6667×9998   88818888=8889×9992   33333332=3334×9998
6666566666=66667×99998 8888188888=88889×99992 3333333332=33334×99998



「同じ数をn-1個並べて最後が1大きい数」×「9をn-1個並べて最後が異なる数」

=「2n桁の数で1個を除いてすべて同じ数である数」


 FNさんが、このことを、もっと広げて次の形にして考察された。(平成23年7月26日付け)


「n桁の数で1個を除いてすべて同じ数」×「n桁の数で1個を除いてすべて同じ数」

=「2n桁の数で1個を除いてすべて同じ数である数」


 これを理論的に扱うのは難しいので、Excel VBAで調べました。もちろんすべてのnについ
て成り立つものを求めるので、特定のnについても当然成り立つから、n=4として調べまし
た。結果は、8個ありました。

   3334×4999=16666666   1
   3334×9998=33333332   2 **
   4445×7999=35555555   3
   5556×7999=44442444   4
   6667×9998=66656666   5 *
   6668×4999=33333332   6
   6668×9998=66666664   7
   8889×9992=88818888   8 **

 これらはどれも4桁だけではなく何桁でも成り立ちます。*が当初の式、**が前に書いた式
です。1の一方または両方を2倍した式が、2、6、7です。


 FNさん、ありがとうございます。私も、いくつか調べてみました。

 8889×9992=88818888型

p≧4 のとき、 (p-2)…(p-2)(p-1)×(p-1)…(p-1)2=(p-2)…(p-2)1(p-2)…(p-2)

 2000×5000=10000000型

p=xy≧4 のとき、 x0…0×y0…0=10…0

2進法  なし

3進法  なし

4進法
111112 333332 111111111110
200000 200000 100000000000
222223 333332 222221222222
222232 333323 222222222122


5進法
333334 444442 333331333333

6進法
200000 300000 100000000000
222223 355555 133333333333
222224 555552 222222222212
300000 400000 200000000000
333334 355555 222222022222
333353 555525 333333332333
444445 555552 444441444444


7進法
222223 666665 222222222221
444445 666665 444443444444
444446 666665 444444444442
555556 666662 555551555555


8進法
200000 400000 100000000000
333334 577777 244444444444
400000 400000 200000000000
400000 600000 300000000000
444445 577777 333333133333
666667 777772 666661666666


9進法
222223 444443 111111111110
222223 888886 222222222220
300000 300000 100000000000
300000 600000 200000000000
333336 888882 333333333313
444443 444446 222222222220
444443 666667 333332333333
444446 888886 444444444440
444447 666663 333333333323
600000 600000 400000000000
666667 888886 666664666666
777778 888882 777771777777
  10進法
200000 500000 100000000000
333334 499999 166666666666
333334 999998 333333333332
400000 500000 200000000000
444445 799999 355555555555
499999 666668 333333333332
500000 600000 300000000000
500000 800000 400000000000
555556 799999 444444244444
666667 999998 666665666666
666668 999998 666666666664
888889 999992 888881888888


11進法
555557 AAAAA8 555555555551
888889 AAAAA7 888885888888
99999A AAAAA2 999991999999


12進法
200000 600000 100000000000
300000 400000 100000000000
300000 800000 200000000000
400000 600000 200000000000
400000 900000 300000000000
444448 BBBBB2 444444444414
555556 9BBBBB 466666666666
600000 600000 300000000000
600000 800000 400000000000
600000 A00000 500000000000
666667 9BBBBB 555555355555
800000 900000 600000000000
AAAAAB BBBBB2 AAAAA1AAAAAA


13進法
333334 CCCCCA 333333333331
444445 CCCCCB 444444444443
666664 AAAAAB 555553555555
666665 666668 333333333331
666668 CCCCCA 666666666662
888889 CCCCCB 888887888888
88888A CCCCCB 888888888886
99999A CCCCCA 999997999999
99999C CCCCCA 999999999993
AAAAAB CCCCC8 AAAAA6AAAAAA
BBBBBC CCCCC2 BBBBB1BBBBBB


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