・演算の順序 通り掛かりの物 氏
現在世間を賑わせている式 6÷2(1+2) の答えについて、ネットでいろいろ調べてい
ます。教える立場からの見解をお願いしたところ、いくつかご意見を頂きました。
shu さんからのコメント(平成23年6月11日付け)
6÷{2×(1+2)}という計算と間違えさせる問題かと思います。
正しくは、6÷2×(1+2)=3×3=9 ですね。
割り算と掛け算の優先順位は同じなので、左から順番に計算する必要があります。
FN さんからのコメント(平成23年6月11日付け)
2(1+2)などという式は数学にはないですね。2×(1+2)とかa(b+c)ならあります。
2・(1+2)もありうるかもしれません。ありそうで実はない式を持ちだしてどうなるのかと
聞いているわけで無意味だと思います。
a÷b×(c+d)なら、a(c+d)/bと解釈するしかありません。a÷b(c+d)なら、
a/{b(c+d)}と解釈するのが普通でしょうが、a(c+d)/bと解釈しても間違いだと断言
はできません。曖昧さを嫌えば、a÷{b×(c+d)}と書くべきです。
a÷b(c+d)でも2通りの解釈を許しうるわけで、そこに、a=6、b=2、c=1、d=2を
代入して、そのまま書いて、それで一意的な解釈が可能なわけはないと思います。
本質的には、÷と×(無印)の結合力の強さの問題です。a÷b×cなら÷と×の結合力
は同じなので、分母はbのみで、分子がacとなります。a÷bcなら÷より無印の方が結合
力が強いので、分母はbcで、分子がaとなります。
この解釈が普通ですが、a÷bcをa÷b×cと解釈することもできます。だから、普通は、
a÷bcではなく、a÷(bc)と書くと思います。
HP「私的数学塾」管理者さんからのコメント(平成23年6月12日付け)
最近手に入れたCASIOのグラフ関数電卓「fx-9860GU」で、「6÷2(1+2)」を計算
させたところ、結果は「1」となりました。FNさんの解釈「a÷bcなら÷より無印の方が結
合力が強い」と同様に、「6÷{2×(1+2)}」と判断処理しているようです。表計算ソフト
のExcelに、「6÷2(1+2)」として、「6/2(1+2)」と入力すると、
「入力した数式にエラーが見つかりました。次の方法があります。=6/2*(1+2)」
とエラーメッセージが出ます。もっとも、Excel は「−2^2」を計算させると、「−4」ではな
く「4」と返してきますので、あてには出来ませんが...。
結論から言えば、FNさんが仰るとおり計算式を誤解がない形に記述すべきだと思い
ます。
皆さん、質問への回答ありがとうございました。(平成23年6月13日付け)
計算式を誤解がない形に記述すべきというはその通りだと思います。ここ数日、無意味だ
と言われてもしかたのないこの議論に参加した私の考えは、FNさんの仰っている
a÷b(c+d)に、a=6、b=2、c=1、d=2を代入してそのまま書いた形、すなわち、
6÷2(1+2)、若しくは、6÷2・(1+2)という記述が数学的に無効でなければ、
かけ算記号が省略された部分については,優先して計算を行う
という定義、式で書くと、a÷bcは、a÷(bc)と理解するのかなと考えます。
(参考:この話題のソースは、こちらです。)
この定義に基づくと、 6÷2(1+2)=6÷{2×(1+2)}=1 が正解だと思いました。
でも、やはり文字式ではなく、2(1+2)という数字のみのこの記述は無効でしょうか?