・独自問題                         S.H氏

 「公立高校の逆襲」ということで、各地の伝統校を進学面で私立高校に負けないようにす
るための進学重点校化が進んで久しい。

 各高校の教育水準に合致した入学生を確保するために独自問題を準備するところもあ
る。2001年に日比谷高校が国数英で「自校作成問題」を実施したのが始まりらしい。

 しかし、この独自問題作成の流れも最近は雲行きが怪しい。問題作成に関わる困難さ、
労力などを考えると難しい問題が山積している。

 最近、朝日新聞朝刊(2010年7月4日付け)で、この話題が取り上げられた。その中で、
岡山県立岡山朝日高校の独自問題(2010)

 昨年の11月に岡山朝日高校の1年A組とB組の合計80人が、岡山城周辺担当と後楽
園周辺担当の2班に分かれて清掃をした。岡山城周辺担当の班では1人当たりゴミ袋に
2袋の落ち葉を、後楽園周辺担当の班では1人当たりゴミ袋に3袋の落ち葉を回収したと
ころ、2班のゴミ袋の合計は、197袋になった。岡山城周辺を担当した班の人数は何人で
あったかを、方程式をつくり、それを解くことにより求めなさい。


をみて、その問いかけに驚いた。岡山朝日高校は岡山県でも有数の進学校なので、比較
的学力の高い生徒が受験する高校である。それなのに数学の問題の解き方を指定してい
ることに疑問を感じる。多様な発想をもっと見てもいいのではないかと思う。

 この視点からも、独自問題作成の限界を見たような思いである。


(追記) 平成23年5月3日付け

 HN「Σ」さんから、「上記の問題ですが、鶴亀算のような解き方が出来ます。」とのアドバ
イスを頂いた。(平成22年11月14日付け)

 「方程式をつくり、それを解くことにより求めなさい。」という出題の仕方にもっと工夫が出
来ないものかと嘆いていた訳であるが、「鶴亀算」という方法は中学生にとっても思いつき
やすい解法だろうと思う。

(鶴亀算による解法)  後楽園周辺担当の班でも1人当たりゴミ袋に2袋の落ち葉を回収

              したものとすると、2班のゴミ袋の合計は、2×80=160(袋)とな

              る。ところが、回収したゴミ袋の合計は、197袋なので、後楽園周

              辺担当の班は、197−160=37(人)となる。

               よって、岡山城周辺担当の班は、80−37=43(人)となる。



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