・ちょっと面白い問題                H.I.氏

 (当HPの掲示板「出会いの泉」 平成22年3月23日付け)

 某所で見た問題をヒントに、改変した問題です。私はこういう問題が大好きです。

 A君が思い浮かべた一桁の自然数2つを当てるゲームをB君、C君の三人で行いました。
A君は2数の積をB君にだけ教え、2数の和をC君にだけ教えました。A君はB君とC君に、
それぞれ聞こえるように質問します。

  A君:「B君、答えはわかった?」
  B君:「まだ分からない」
  A君:「C君、答えはわかった?」
  C君:「いま分かった!」

さて、A君が思い浮かべた2つの自然数は何でしょう?


 この問題について、平成22年3月23日付けで、GAI さんが「2つの数は異なる」という条
件のもとで次のように解かれた。

積が複数構成可能(異なる数にて)なパターンは、積の値が

 6→(1,6)(2,3) 、8→(1,8)(2,4) 、12→(2,6)(3,4) 、18→(2,9)(3,6)

24→(3,8)(4,6)

他の積の値では2数は特定できる。

 そこで、Bさんが聞いた積の値は上の5種類のいずれかになる。

Bさんが決定できない理由により、Cさんはこの10組での2つの数の和を調査すれば、

 6→(7)(5) 8→(9)(6) 、12→(8)(7) 、18→(11)(9) 、24→(11)(10)

となるので、自分が聞いた和の値からCが特定できるのは、重複していないものに限ること

から和(5)(6)(8)(10)のいずれかを聞いたことになる。

 Cが聞いた数字に対応して、Aが思った2数は、次のような数である。

   Cの聞いた数字      Aが思った2数
        5・・・・・・・・・・・・・→(2,3)
        6・・・・・・・・・・・・・→(2,4)
        8・・・・・・・・・・・・・→(2,6)
       10・・・・・・・・・・・・・→(4,6)


 「2数が異なる」という条件では、GAI さんの解は正解です。ただ、問題では「2数が異な
る」とは仮定していないので、もちろん同じ数の場合も考慮に入れるべきだと思う。

(HP管理者コメント) ホントに面白い問題ですね!当初、3人のやり取りから、Aさんの考
             えた2数が確定するものだと、私自身勘違いしていました。そんな反
             省から、以下に、九九の乗算表を作って、GAIさんの解法をなぞって
             みた。

  Aさんの問いかけに対して、Bさんが「分からない」と答えたということは、積から2数が直
 ぐ分かる場合は除かれる。(下表で、背景が赤色のものが除かれる。)

 
10 12 14 16 18
12 15 18 21 24 27
12 16 20 24 28 32 36
10 15 20 25 30 35 40 45
12 18 24 30 36 42 48 54
14 21 28 35 42 49 56 63
16 24 32 40 48 56 64 72
18 27 36 45 54 63 72 81

 上表で残された数について、和を調査すれば、

 4→(4)(5) 、6→(5)(7) 、8→(6)(9) 、9→(6)(10) 、12→(7)(8)

16→(8)(10) 、18→(9)(11) 、24→(10)(11) 、36→(12)(13)

 ここで、Cさんが分かったということは、Cさんの聞いた和の値は、(4)(12)(13)の3通り。

したがって、Cが聞いた数字に対応して、Aさんが思った2数は、次のような数である。

   Cさんの聞いた数字      Aさんが思った2数
        4・・・・・・・・・・・・・・・・→(2,2)
       12・・・・・・・・・・・・・・・・→(6,6)
       13・・・・・・・・・・・・・・・・→(4,9)
                                  (これで合っているのかな?)

 正解です!ただ、

   A君:「B君、答えはわかった?」
   B君:「まだ分からない」
   A君:「C君、答えはわかった?」
   C君:「まだ分からない」
   A君:「B君、答えはわかった?」
   B君:「いま分かった!」


とした方が良問のような気がしてきました。(平成22年3月24日付け)

(HP管理者コメント) 上記の場合を少し考えてみた。

 C君が分からないということは、C君の聞いた和の値は次の何れかである。

   (5) (6) (7) (8) (9) (10) (11)

 この後、B君が分かったということは、

   B君の聞いた数字は、4で、Aさんが思った2数は(1,4)となる。
                                  (これで合っているのかな?)

 正解です! それでは、さらに、次のような場合はどうでしょう?

 最長になる質問の場合:

  1. A君:「B君、答えはわかった?」  B君:「まだ分からない」
  2. A君:「C君、答えはわかった?」  C君:「まだ分からない」
  3. A君:「B君、答えはわかった?」  B君:「まだ分からない」
  4. A君:「C君、答えはわかった?」  C君:「まだ分からない」
  5. A君:「B君、答えはわかった?」  B君:「まだ分からない」
  6. A君:「C君、答えはわかった?」  C君:「まだ分からない」
  7. A君:「B君、答えはわかった?」  B君:「まだ分からない」
  8. A君:「C君、答えはわかった?」  C君:「まだ分からない」
  9. A君:「B君、答えはわかった?」  B君:「まだ分からない」
 10. A君:「C君、答えはわかった?」  C君:「まだ分からない」
 11. A君:「B君、答えはわかった?」  B君:「まだ分からない」
 12. A君:「C君、答えはわかった?」  C君:「まだ分からない」
 13. A君:「B君、答えはわかった?」  B君:「いま分かった!」


 解答は、以下の通り。(一部文言等を修正させて頂きました。(HP管理者))

 B君の教えてもらった数を B 、C君の教えてもらった数を C とする。また、以下において、
分かった場合を ○ 、分からなかった場合を × と表記することにする。

1.Bが×なので、Bの値は、1×素数 p や素数 p ×素数 p の形ではない。

 よって、(B,C)の組み合わせは、

  (36,13 or 12) 、(24,11 or 10) 、(18,11 or 9) 、(16,10 or 8) 、(12,8 or 7)

  (9,10 or 6) 、(8,9 or 6) 、(6,7 or 5) 、(4,5 or 4)

のいずれかとなる。

2.Cが×なので、Cの値は、 5、6、7、8、9、10、11 のいずれかとなる。

3.Bが×なので、Bの値は、 6、8、9、12、16、18、24 のいずれかとなる。

4.Cが×なので、Cの値は、 6、7、8、9、10、11 のいずれかとなる。

5.Bが×なので、Bの値は、 8、9、12、16、18、24 のいずれかとなる。

6.Cが×なので、Cの値は、 6、8、9、10、11 のいずれかとなる。

7.Bが×なので、Bの値は、 8、9、16、18、24 のいずれかとなる。

8.Cが×なので、Cの値は、 6、9、10、11 のいずれかとなる。

9.Bが×なので、Bの値は、 8、9、18、24 のいずれかとなる。

10.Cが×なので、Cの値は、 6、9、11 のいずれかとなる。

11.Bが×なので、Bの値は、 8、18 のいずれかとなる。

12.Cが×なので、Cの値は、 9 となる。

13.このとき、Bは当然○となり、

    B=8 ならば、Aが思った2数は、(1,8)

    B=18 ならば、Aが思った2数は、(3,6)

となる。私立中学受験に出そうな問題ですね。
(それにしてもB君もC君もなかなか切れ者です)

(HP管理者コメント) 題意が上手く掴めれば、ほとんど機械的な計算で解けてしまうんです
             ね!H.I.さんに感謝します。


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