・文字を使うよさ S.H氏
多分、文字を使うよさを知るのは、今でも中学1年次だと思うが、最近の高校1年向けの
教科書を見ると、以前はなかった「文字を使うよさ」を説明する記述があることに驚かされ
る。
「文字を使うよさ」を知ることは大切なことであるが、高校生になっても、そのことが繰り返
されるということは、中学校であまり定着していないかも?というおそれから教科書会社は
配慮して、ページ数が決まっている中での貴重な1ページを割いているのだろう。
「文字を使うよさ」は通常「鶴亀算」をたとえによく説明される。
最近、次のような問題に遭遇した。字面だけ読んでいては何が何だか...という雰囲気
であるが、キッチリ文字を使って解析すれば、それほど頭を悩ませなくとも正解にたどり着
くことができる。
ジュースがあらかじめ、ある一定量入っているコップがある。このジュースを何人か
で飲み干すことを考える。飲み始めると、自動的にそのコップにはジュースが毎分一
定量注がれるという。どの人も毎分飲む量は同じとする。
5人が飲み始めると、飲み干すのにちょうど10分かかり、7人だと、飲み干すのに
ちょうど5分かかるという。 そこで、問題。
始めに、3人が飲み始めて5分後、更に何人かが加わったところ、加わってから 4
分後に飲み尽くされたという。
途中で加わった人数は何人だろうか? (参考) 淑徳与野中学入試問題(2009)
(解) 始めに入っている一定量をW、飲み始めて注がれるジュースの量を毎分Gとする。
また、各人が毎分飲む量をAとする。このとき、題意より、
W+10G=5A・10=50A ・・・(*)
W+5G=7A・5=35A
このとき、辺々引いて、 5G=15A より、 G=3A
また、加わった人数を X 人とすると、
W+(5+4)G=3A・(5+4)+XA・4 すなわち W+9G=27A+4XA
(*)と辺々引いて、 G=23A−4XA で、G=3A を代入して、
3A=23A−4XA より、 X=5
したがって、途中で加わった人数は、5人である。
(コメント) この問題を、文字を使わないで解くとしたら次のような雰囲気になるのかな?
各人が毎分飲む量を1とすると、飲み始めて注がれるジュースの量は毎分
(1・5・10−1・7・5)÷(10−5)=3
このとき、始めに入っていたジュースの量は、 1・5・10−3・10=20 なので、
途中で加わった人が飲んだジュースの量は、
20+3・(5+4)−1・3・(5+4)=20
したがって、途中で加わった人数は、 20÷4=5 (人) となる。
(コメント) この問題で、「文字を使うよさ」を再認識しました!