・ 整数解                       S.H氏

 平成19年度入試で、津田塾大学 学芸学部が次のような問題を出題した。

 a 、 b を整数とし、2次方程式 x2+ax+b=0 を考える。

(1) この方程式の2つの解が整数のとき、判別式 D は平方数であることを示せ。

(2) 判別式 D が平方数ならば、解はすべて整数であることを示せ。


2次方程式の具体的な計算をしている中で、これらの事実は経験的に知られることだろう。
ただ、受験生にとっては、その当たり前のことを示す問題が一番難しいし、また、その経験
も少ない。

(解) (1) 2次方程式の2つの解 α 、 β について、解と係数の関係より、

       α+β=−a 、 αβ=b

   なので、 判別式 D=a2−4b=(α+β)2−4αβ=(α−β)2 と書ける。

    よって、 α 、 β が整数ならば、α−β も整数で、判別式は平方数となる。

 (2) 逆に、判別式が平方数とすると、ある正の整数 m が存在して、

       D=m2

   と書ける。このとき、解は、 x=(−a+m)/2 、(−a−m)/2 となる。

    ここで、 (−a+m)+(−a−m)=−2a は偶数であるので、

      −a+m と −a−m は、ともに偶数か、または、ともに奇数

   ところで、 (−a+m)×(−a−m)=a2−m2=4b は偶数なので、

      −a+m と −a−m は、ともに偶数

   となる。このとき、2つの解は、整数となる。 (終)

   (補足) このとき更に、

     a 、 b を整数とし、2次方程式 x2+ax+b=0 の2つの解が整数のとき、

   a 、 b の少なくとも一つは偶数である


    ことが分かる。

     実際に、 解と係数の関係から、2つの解 α、β について、

       α+β=−a 、 αβ=b

    ここで、 a、b がともに奇数とすると、 αβ は奇数 すなわち α、β ともに奇数

   から、 α+β=−a において、 左辺は偶数、右辺は奇数 で矛盾である。

    よって、 a、b の少なくとも一つは偶数となる。

   (コメント) 自明だったりして...。


 一般に、整数係数の2次方程式 ax2+bx+c=0 において、上記と同様にして、

 判別式 D=b2−4ac=a2((b/a)2−4(c/a))=a2((α+β)2−4αβ)=a2(α−β)2

なので、方程式が整数解を持てば、判別式は平方数となる。

 逆に、判別式が平方数、すなわち、D=m2 と書けるとき、解は、

       x=(−b+m)/2a 、(−b−m)/2a

となる。ここで、 (−b+m)+(−b−m)=−2b は偶数であるので、

  −b+m と −b−m は、ともに偶数か、または、ともに奇数

ところで、 (−b+m)×(−b−m)=b2−m2=4ac は偶数なので、

  −b+m と −b−m は、ともに偶数

となる。このとき、2つの解の分子は、ともに2で約分できる。

(コメント) 道理で、解の公式の根号の中身が平方数になるときに、2で割り切れると思っ
      た...!



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