・ 数学問題解決の指針 S.H氏
趣味で数学の問題を解いたり、定められた時間で受験問題を解く場合、解法に行き詰ま
ることが多々ある。そういう経験のある方もたくさんいるだろう。
そんなときは私は眠ることにしているのだが、起きた瞬間に解法が閃くときもあれば、考
えている問題が何だったか忘れてしまう場合もある。
問題が解けない原因は明らかだ。問題の本質を理解していなかったり、狭い考え方での
みの対処に終わっているからだ。
職業上、よく「Z会の通信添削」の質問を受けることが多い。直ぐ即答できるものもあれば、
深く考えないと出来ないものもある。一晩寝かして解けたときの感慨は、爽快感そのもので
ある。そして、問題を見直してみると作問者が散りばめたであろう、いろいろな問題解決の
ための道筋が了解される。
教え子で「Z会」の数学担当の方と結婚された方がいる。数学問題の作問の極意を是非
学びたいものだ。
難問にぶつかって、ただ右往左往してもしょうがない。こんなときは、次のような考え方を
すると問題解決のヒントが心に浮かぶ場合があるかもしれない。
覚えやすく、スローガン風に書き並べると、
逆 場 同 背 一 易 特 規 図 記 対
(逆は、どうせ一意と気づきたい ・・・・ ちょっと語呂合わせが苦しいかな?)
逆 ・・・ 結論が正しいものとして、そこから分かることを列挙してみる!
場 ・・・ 考えやすい場合に分けてみる!
同 ・・・ 考えやすい同値な問題に置き換えてみる!
背 ・・・ 結論を否定して矛盾が起こらないか考えてみる!(背理法)
一 ・・・ 具体的な問題を一般化して考えてみる!
易 ・・・ 考えやすいように条件設定を変えてみる!
特 ・・・ 特別な場合で、いろいろ試行錯誤してみる!
規 ・・・ 単純な場合から規則性を発見し、解決策を探ってみる!
図 ・・・ 問題の意図するところを図示してみる!
記 ・・・ 置き換えなど効果的に記号を用いて、問題表現を易しくしてみる!
対 ・・・ 式や図形の対称性に注目してみる!