・ 2次関数の最大最小 S.H氏
平成20年度の大学入試センター試験が、1月19日(土)〜20日(日)に行われる。数学
Tの試験は、第2日である。
2次関数では、次のような問題が頻出である。
問題 a を定数とし、2次関数 y=2x2−4ax+3 を考える。 x が、−1≦x≦1
の範囲にあるとき、この2次関数の最大値 M(a)、最小値 m(a) をそれぞれ
求めよ。
この問題は、軸の位置で場合分けすることがポイントである。
(解) F(x)=2x2−4ax+3=2(x−a)2+3−2a2 より、軸の式は、 x=a
まず、最大値を求める。
上図から、 a<0 のとき、 M(a)=F(1)=5−4a
a≧0 のとき、 M(a)=F(−1)=5+4a
次に、最小値を求める。
上図から、 a<−1 のとき、 m(a)=F(−1)=5+4a
−1≦a≦1 のとき、 m(a)=F(a)=3−2a2
a>1 のとき、 m(a)=F(1)=5−4a (終)
上記の問題では文字が関数式に入っているが、定義域の方に入る場合もある。
問題 a を定数とし、2次関数 y=2x2−4x+3 を考える。 x が、a≦x≦a+1
の範囲にあるとき、この2次関数の最大値 M(a)、最小値 m(a) をそれぞれ
求めよ。
この問題に対しては、通常次のように解かれることが多いだろう。
(解) F(x)=2x2−4x+3=2(x−1)2+1 より、軸の式は、 x=1
区間 a≦x≦a+1 の幅は、1である。
まず、最大値を求める。 F(a)=F(a+1) となるのは明らかに、a=1/2 のときである。
上図から、 a<1/2 のとき、 M(a)=F(a)=2(a−1)2+1
a≧1/2 のとき、 M(a)=F(a+1)=2a2+1
次に、最小値を求める。
上図から、 a<0 のとき、 m(a)=F(a+1)=2a2+1
0≦a≦1 のとき、 m(a)=F(1)=1
a>1 のとき、 m(a)=F(a)=2(a−1)2+1 (終)
この2つの問題の解法を比較するとき、前者の方が考えやすいだろう。しかし、次のように
考えれば、後者の問題も前者と同様に考えることが出来る。2つの問題は同じパターンの問
題であるということが伺える。
後者の問題を前者の解法パターンで解くコツは、定数「a」を固定することである。
(別解) F(x)=2x2−4x+3=2(x−1)2+1 より、軸の式は、 x=1
区間 a≦x≦a+1 の幅は、1である。よって、区間の中央値は、a+1/2
まず、最大値を求める。
上図から、
a+1/2<1 すなわち、 a<1/2 のとき、 M(a)=F(a)=2(a−1)2+1
a+1/2≧1 すなわち、 a≧1/2 のとき、 M(a)=F(a+1)=2a2+1
次に、最小値を求める。
上図から、 a+1<1 すなわち、 a<0 のとき、 m(a)=F(a+1)=2a2+1
a≦1≦a+1 すなわち、 0≦a≦1 のとき、 m(a)=F(1)=1
a>1 のとき、 m(a)=F(a)=2(a−1)2+1 (終)
(コメント) 今まで、2様に解いてきた問題が実は同じ解法で解けるとは驚きです!このよ
うな認識が、問題を考える上でとても大切ですよ!ということを河合塾の先生よ
り教わりました。まさに、「予備校、恐るべし!」ですね...。