・ 計算違いの構図 S.H氏
2次方程式の判別式の計算で、よく次のように計算してしまう生徒を見かける。
x2−3x+2=0 に対して、
D=32−4×1×2=9−4×1×2=5×1×2=10(??)
もちろん、正しくは、 D=32−4×1×2=9−4×1×2=9−8=1
であるが、上記の誤った計算をする生徒が皆無ではないという事実に困惑してしまう。
その原因が本人の不注意によるものと今まで思ってきたが、実は、小学校算数に、その
誤りの構図があるのではないかという思いが強くなった。つまり、生徒は誤るべくして誤っ
ているという現状である。
小学校では、四則計算の順序を習う前は、
9−4×2
のような計算は、 括弧を用いて、
(9−4)×2 なのか 9−(4×2) なのかを
明確に区別して、「括弧の中を先に計算する」ことを指導される。
そして、「式を分かりやすくする」という名目で、四則計算の順序の約束を指導して、計
算式から括弧が省かれる。
恐らく、計算間違いをする生徒は、この時期に何らかの原因で「つまづき」があった生徒
なのだろう。
今後の計算に重大な影響を与える部分であるので、小学校算数で克服されるべき最大
の課題だろう。