・ 変わったさいころ                 S.H氏

 普通、「さいころ」と言ったら、誰でもが左下のさいころをイメージするだろう。このさいころ
には各面が均等に出現することが期待されている。

          

 子供の頃、野球盤という家庭ゲームがブームとなり、私もなけなしのお年玉をつぎ込んで
買った覚えがある。右上のさいころは、その時についていたものである。(今でも持っている
なんて不思議!カナ?

 展開図は下図のようである。

          


 さいころの上面だけに注目すれば、「S」や「O」が出る確率は半々である。

 ところで、このさいころを投げたときに、底面以外の「S」や「O」の出方のパターンに注目
した場合は、少し事情が違うようだ。

 起こりうる場合は、次の各場合が考えられ、それぞれの場合の数を求めると

上面の目   側面の目 場合の数
  Sが1個とOが3個 ・・・ 2通り
  Sが2個とOが2個 ・・・ 1通り
  Sが2個とOが2個 ・・・ 1通り
  Sが3個とOが1個 ・・・ 2通り

となる。この場合は、各パターンが同様に確からしくなく、正しいさいころとは言えない。

 この話題について、次のようなさいころを考えれば、上面だけに注目しても等確率、底面
以外の「S」や「O」の出方のパターンに注目しても(文字の方向も含めて)等確率になると
いうことを、当HPがいつもお世話になっている、らすかるさんにご教示いただいた。

          

 起こりうる場合は、次の各場合が考えられ、それぞれの場合の数を求めると

上面の目   側面の目 場合の数
  Sが2個とOが2個 ・・・ 3通り
  Sが2個とOが2個 ・・・ 3通り

となる。

(コメント) 文字の方向も含めて等確率になるとは驚きです。らすかるさんに感謝します。


 さて、上記では、2文字「S」、「O」の出方のパターンに注目して、それぞれ確率が1/2と
なるさいころを作ることが出来た。

 同様に考えて、さいころを2色で塗り分け、その色の出方のパターンの確率が1/3になる
ようにすることもできる。

 同様の確からしさを保証するには、次のように色分けすればよい。

          

上面の目   側面の目 場合の数
  緑が2面と黄が2面 ・・・ 2通り
  緑が3面と黄が1面 ・・・ 2通り
  緑が3面と黄が1面 ・・・ 2通り

となることから明らかだろう。ただし、この場合は各面の同様に確からしさが保証されない。


(コメント) 「彼方を立てればこちらが立たず」で、両立は難しいですね!



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