・数学の面白さ                      GAI 氏

 現代計算能力を手助けするコンピュータの出現で数に特徴を付加し、その性質を探ること
も面白さを与えるが、計算ではなく明らかに成立していける事項を組合せ積み上げていく過
程を楽しむユークリッド幾何学ほど数学の楽しさを与える題材は無い。

 そこで、以下の図形であれこれ挑戦願う。

 ある大きさの円がある。その円周上に任意の点A(説明上左下あたりに)をとる。Aを通る直
線L1を水平に引き再び円周と交わ点をBとする。

 また、L1とはxの角度で伸びる点Aを通る直線L2を上方にむけて引く。L2が再び円周と交わ
る点をCとする。

 次に、L2上に円外の点P2をとってP2とBを結ぶ直線L3を引き、L3が円周と交わる点をDと
する。

 最後に、点CとDを結ぶ直線L4を引きL1と交わる点をP1とおく。

 さて、こうして出来た図に置いて、

∠AP1D=θ1 (L1,L4のなす角;ただし鋭角) 、∠AP2D=θ2 (L2,L3のなす角;ただし鋭角)

であるとき、L1とL2がなしていた角xをθ1、θ2を用いて求めて下さい。

  


 らすかるさんからのコメントです。(令和8年8月13日付け)

 L1とL4がABの延長上で交わる場合は、x=(180°-θ1-θ2)/2

 L1とL4がBAの延長上で交わる場合は、x=(180°+θ1-θ2)/2

となる気がします。


 GAI さんからのコメントです。(令和8年8月14日付け)

 xが鋭角である時のみしか調べてなかったので、らすかるさんのを見て、鈍角もあり得ると
調べ直したら正にらすかるさんの結論に辿り着きました。

 一見自明でない事柄でも、既成事実を重ねるとその結論を認めざるを得ない状況が発生
してくる過程は、ミステリー小説や、探偵物語、検事と弁護士の法廷でのやり取り等とも関連
していて犯人を断定出来たときの驚きと喜びは共通しています。

 私は、もっぱら事件の報告係を務めてきたような気がしていて、どなたか未解決の事件を
報告してください。


 りらひいさんからのコメントです。(令和8年8月14日付け)

 場合分けはもっとたくさんあります。



左図のような場合は x=(θ1-θ2)/2 となると思います。

 また、θ1 を ∠AP1D ではなく (L1,L4のなす角;ただし鋭角) の方で決める場合、右図の場
合も別に考える必要がありますね。

 さらに、"直線L2を上方にむけて引く"とありますが、L2は半直線ではなく直線となっている
ので、点P2を点Aよりも下方にとった場合も考えないといけないでしょう。

 点P2を点Cよりも上方にとった場合でも、点や直線の位置関係によってほかの場合分け
がありそうな気がします。

 有向角を使って考えたことを書きます。
(有向角に関して知りたい場合は denta_geometry さんのMathlog記事を見るとよいです。)

 有向角は、直線を反時計回りに回転させて別の直線に重ねたときの回転角で考えます。
時計回りに角度α回転させて重なる場合は反時計回りに角度 180°-α 回転させても重な
るので、反時計回りの回転角[180°-α]を使います。
(もしくは、時計回りの回転角αにマイナス符号をつけて[-α]にして使っても大丈夫です。)

 有向角を使うと、GAIさんの問題で図形がどんな形になっても次の関係が成り立ちます。

 直線L2を下方にむけて引いたり、直線L2上の点P2を円内にとったりしても成り立ちます。

 角度(有向角)y,φ1,φ2を、

y : 点Aを中心に直線L1を反時計回りに回転させてL2に重なるようにしたときの回転角,
φ1 : 点P1を中心に直線L4を反時計回りに回転させてL1に重なるようにしたときの回転角,
φ2 : 点P2を中心に直線L2を反時計回りに回転させてL3に重なるようにしたときの回転角,

とするとき、 2y≡-(φ1+φ2) mod 180° が成り立つ。

[証明] t : 点Dを中心に直線L3を反時計回りに回転させてL4に重なるようにしたときの回転
  角とする。

 直線を反時計回りにL1→L2→L3→L4→L1と回転させると元の直線に戻ることから、

 y+φ2+t+φ1≡0° mod 180°

が成り立つ。また、円周角の定理により、 y≡t mod 180° が成り立つ。

 法が同じ合同式は代入や移項ができるので、 2y≡-(φ1+φ2) mod 180° となる。[証終]


#有向角は、回転方向を決めているところと、180°を法とする合同関係で考えるところが
みそです。

 ちなみに、この式は合同式なので両辺を2で割ることはできません。次のようになるからです。


2y=-(φ1+φ2)-360° ならば y=-(φ1+φ2)/2-180° ,
2y=-(φ1+φ2)-180° ならば y=-(φ1+φ2)/2-90° ,
2y=-(φ1+φ2)   ならば y=-(φ1+φ2)/2 ,
2y=-(φ1+φ2)+180° ならば y=-(φ1+φ2)/2+90° ,
2y=-(φ1+φ2)+360° ならば y=-(φ1+φ2)/2+180° ,
2y=-(φ1+φ2)+540° ならば y=-(φ1+φ2)/2+270° ,


 これらの式から、0°<y≦90°なのか 90°<y<180°なのかが確定できれば、
y=-(φ1+φ2)/2+n×90°が条件を満たすn∈Zが一つだけ決まり、φ1,φ2からyの計算がで
きることがわかります。

 GAIさんの問題文のx,θ1,θ2とここで定義したy,φ1,φ2を比較してみます。

[yについて]

 問題文では "Aを通る直線L1を水平に引き" および "L1とはxの角度で伸びる点Aを通る直
線L2を上方にむけて引く" となっていますが、xがL1の右方向との角度なのかL1の左方向と
の角度なのか、あるいはL1の点Bがある方向との角度なのかL1の点Bがない方向との角度
なのかが明示されていません。

 一般的に使われる角度の測り方で考え、点Aが左・点Bが右にあって、xは点BがあるL1右
方向との角度(半直線ABとの角度)としてよいのであれば、yはxと一致するといってよいでしょう。

[φ1について]

 φ1については、GAIさんの問題文におけるθ1を
"∠AP1D" (0°〜180°) と捉えるか、"L1,L4のなす角;ただし鋭角" と捉えるか
によって、θ1とφ1の関係が変わってきます。

 θ1が"∠AP1D"(0°〜180°)の場合、φ1は次のように場合分けされます。

φ1=θ1 (三角形AP1Dにおいて点A,P1,Dがこの順に反時計回りに並ぶとき),
φ1=180°-θ1 (三角形AP1Dにおいて点A,P1,Dがこの順に時計回りに並ぶとき).

 θ1が"L1,L4のなす角;ただし鋭角"(0°〜90°)の場合、φ1は次のように場合分けされます。

φ1=θ1 (点P1を中心に直線L4を反時計回りに回転させたとき、回転角90°未満でL1に重な
るとき),
φ1=180°-θ1 (点P1を中心に直線L4を反時計回りに回転させたとき、回転角90°以上180°
未満でL1に重なるとき).

[φ2について]

 φ2については、GAIさんの問題文におけるθ2を
"∠AP2D" (0°〜180°) と捉えるか、"L2,L3のなす角;ただし鋭角" と捉えるか
によって、θ2とφ2の関係が変わってきます。

 θ2が"∠AP2D"(0°〜180°)の場合、φ2は次のように場合分けされます。

φ2=θ2 (三角形AP2Dにおいて点A,P2,Dがこの順に反時計回りに並ぶとき),
φ2=180°-θ2 (三角形AP2Dにおいて点A,P2,Dがこの順に時計回りに並ぶとき).

θ2が"L2,L3のなす角;ただし鋭角"(0°〜90°)の場合、φ2は次のように場合分けされます。

φ2=θ2 (点P2を中心に直線L2を反時計回りに回転させたとき、回転角90°未満でL3に重な
るとき),
φ2=180°-θ2 (点P2を中心に直線L2を反時計回りに回転させたとき、回転角90°以上180°
未満でL3に重なるとき).

 θ1,θ2に関してどちらの解釈を採用するにしても(θ1:2通り)×(θ2:2通り)の場合分けが必
要(全部が実際に存在するか不明)で、かつ、y=-(φ1+φ2)/2+n×90°のn∈Zがいくつになる
かも考えないといけません。

 それぞれの場合でどんな点や直線の位置関係になるかを考える、あるいは逆に、点や直
線の配置からどれに当てはまるかを考えていく、……どちらも大変そうですね。

 ここまで書いておいてなんですが、この有向角からのアプローチは手間かもしれないです。

 結局、場合分けの上手な方法や何通りの場合分けが必要なのかといったことが、私はわ
かっていません。


 GAI さんからのコメントです。(令和8年8月15日付け)

 言葉で図形を説明すると、こちらが意図するものが正確には伝わらないことが起こり得る
(認識している以外にも見落としてしまう形状が入り込む)ことが痛いほどわかります。

 らすかるさんやりらひいさんからの投稿で全くこちらが想像もしてなかった形状が入り込める
事実が発生してしまう。

 法廷で争われる罪の決定にも、言葉中心でのやり取りを元に(誰もその現場に立ち会って
いない)争われている印象がありますが、基本的にはこんな例と構造的には似ているのでは
ないかと思えます。

 死刑を受けた人が長年の時を要して無罪となる冤罪で苦しむのも言葉による世界を作ろ
うとするとき、正確には真実を構築できないもどかしさが関係しているのかも知れないとふと
思ってしまいました。



  以下、工事中!


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