・ どっちが多い? S.H氏
素数とは、1以外の自然数で、1と自分自身以外約数を持たないものをいう。
素数表によれば、100以下の素数は、
2、3、5、7、11、13、17、19、23、29、31、37、41、43、47、53、59、61、67、
71、73、79、83、89、97
の25個ある。
これらの素数を、3で割って1余るもの(赤色)と、3で割って2余るもの(青色)に分類する。
2、3、5、7、11、13、17、19、23、29、31、37、41、43、47、53、59、61、
67、71、73、79、83、89、97
よって、 3で割って1余るもの(赤色)は、 11個
3で割って2余るもの(青色)は、 13個
となる。そこで、問題 : 素数のうち、3で割って1余るものと2余るもの、どっちが多い?
上記の実験結果では常に「3で割って2余るもの」の方が「3で割って1余るもの」よりも数
において先行している。
従って、「3で割って2余るもの」の方が何となく多いように予想されるが、実は次のことが
知られているようだ。
608981813029 より小さい任意の数 N において、N 以下の素数において、
「3で割って2余るもの」の数≧「3で割って1余るもの」の数
であるが、608981813029 以下の素数においては、
「3で割って2余るもの」の数+1=「3で割って1余るもの」の数
すなわち、
「3で割って2余るもの」の数<「3で割って1余るもの」の数
これは、1978年に、ベイやハドソンにより見いだされた。
同様に、4で割って1余る数と3余る数についても次の事実が知られている。
26862 より小さい任意の数 N において、N 以下の素数において、
「4で割って3余るもの」の数≧「4で割って1余るもの」の数
であるが、26862 以下の素数においては、
「4で割って3余るもの」の数+1=「4で割って1余るもの」の数
すなわち、
「4で割って3余るもの」の数<「4で割って1余るもの」の数
これは、1959年に、シャンクスにより見いだされた。
(コメント) 結局は、どっちが多い!とは言えないということか...残念。
(参考文献:岡部・白井・一松・和田 著 反例からみた数学 (遊星社))