・ 意外な所に正三角形 S.H氏
下図のように、正三角形ABCの各辺上に点P、X、Q、Y、R、Zをとり、六角形PXQYRZ
を作る。ただし、六角形PXQYRZの各辺の長さは等しいものとする。
このとき、△PQRは正三角形になるという。
(証明) ベクトルPXを、PXで表すことにする。
六角形PXQYRZは閉じているので、 PX+XQ+QY+YR+RZ+ZP=0
ところで、PX、QY、RZはつりあっているので、 PX+QY+RZ=0
よって、 XQ+YR+ZP=0 が成り立つ。
このとき、 XQ・YR=YR・ZP=ZP・XQ=−(1/2)|XQ|2 となる。
したがって、XQとYR、YRとZP、ZPとXQのなす角は、すべて120°である。
△ABCは正三角形なので、∠CXQ=∠AYR=∠BZP が成り立つ。
よって、 ∠PXQ=∠QYR=∠RZP から、 △PXQ≡△QYR≡△RZP
したがって、 PQ=QR=RP となり、△PQRは正三角形になる。(証終)
条件を満たす六角形は無数に作れるが、意外と「六角形の各辺の長さは等しい」という
条件が思いのほか強くて、与えられた正三角形ABCと美しい調和をなすことに感動した。