食塩水を作るには当然水と塩を混ぜて作るが、これを作るために、1(g)単位で計測できる
ハカリが準備されているとする。
今、水が100(cc)しかなく(1(cc)=1(g)とする)、塩は大量にあるものとする。
さて、測れる重さが整数しか許されないとしたとき、ただ一通りの組合せでしか作れない
整数での食塩水濃度は、何%の食塩水になるか?
また逆に、どんな整数の水に対しても対応する塩が測れてしまう整数の食塩水濃度は、
何%のものが可能か?
(コメント) 水の量を x(g)、塩の量を y(g)とし、そのときの濃度を n(%)とすると、
x : y=100−n : n が成り立つ。
そこで、(x,y)=(99,1) ならば、濃度は1%、(x,y)=(98,2) ならば、濃度は2%、
・・・、(x,y)=(1,99) ならば、濃度は99% と99通りの整数濃度が可能である。
「ただ一通りの組合せ」という条件から、2%の濃度は、(98,2)、(49,1)と複数の場合
があるので不適ですね。4%や5%なども不適ですね。
食塩水の濃度は最大でも30%程度なので、このことは問題に影響しませんか?
30%までの範囲で、濃度が「ただ一通りの組合せ」となるのは、
1、3、7、9、11、13、17、19、21、23、27、29(%) の12通りしかない。
DD++ さんからのコメントです。(令和6年3月6日付け)
1、3、7、9、11、13、17、19、21、23、27(%) で全部ですかね。
水の量を w (g) 、食塩の量を s (g) 、食塩水濃度を x(%) (0<x<28.20) とすると、
s/(w+s) = x/100 つまり、 w = (100-x)s/x となります。
w≦50 であれば、w と s をどちらも 2 倍にした解が存在します。そして、100-x と x が互
いに素でない場合、右辺が整数になる最小の s をとれば、w≦49 の解が存在します。
よって、この場合は唯一解になりません。
したがって、100-x と x が互いに素、つまり x と 100 が互いに素な場合のみ考えれば十分
です。
この場合、s は x の倍数です。
そして、s = x の解は必ず存在するので、条件を満たすには s = 2x の解が存在しないこと
が必要十分条件になります。
すなわち、100-x>50 である必要がありますが、そもそも食塩水濃度は 0<x<28.20 しか
存在し得ないので、意味のない心配でした。
よって、x は 100 と互いに素な 28.20 未満の整数が答えということで、答えは冒頭の 11 個
になります。
(27%食塩水は室温じゃ存在しませんが、熱水を使った食塩水もまあ食塩水には変わりない
ので濃度上限を 28.20% とすることで解答に含めました)
GAI さんからのコメントです。(令和6年3月6日付け)
食塩水濃度を x(%) (0<x<28.20) とすると
の理由がどうしてつくのかが、私は理解できないでいます。この部分の説明をお願いします。
(コメント) 水100gに溶ける食塩の量は、
0度では35.6g(26.3%)、20度では35.8g(26.4%)、40度では36.3g(26.6%)、
・・・、100度では39.3g(28.2%)であることが知られています。
従って、食塩水の濃度は、28.2%が限界となります。食塩水の中に食塩の沈殿物があっ
てもかまわないという観点では、もちろんこの限りではありませんが、食塩水の問題で沈殿
物を想定することは今まで経験がありません。飽和水溶液という観点で、算数の問題は作
成されていると思います。
GAI さんからのコメントです。(令和6年3月6日付け)
飽和食塩水という観念が全く抜け落ちてしまっていた。食塩水の問題を作るとき、うっかり
30%の食塩水がとかの表現をしたら失笑ものになりますね。くわばら、くわばら。
以下、工事中!